1 共同して登記申請をしなければならない者の一方に、登記手続をすべきことを命ずる確定判決に基づいて、当該申請を共同してしなければならない者の他方が、単独で申請することが出来る登記の方法のことを判決による登記といいます。
(不動産登記法63条1項)
2 判決による登記は[共同して申請しなければならない者に対して、一定内容の登記手続をなすべき旨を命じた給付判決]であることを求められ、確認判決や形成判決では不動産登記法63条1項による登記は認められません。
3 給付判決は確定判決でなければなりません。
4 判決による登記、原則として執行分の付与を要しませんが、例外として、以下の場合には執行文の付与が必要です。
(民事執行法174条1項後段、2項、3項)
(1)債務者の意思表示が債権者の証明すべき事実の到来に係るとき
(2)債務者の意思表示が反対給付との引換えに係るとき
(3)債務者の意思表示が債務の履行その他の債務者の証明すべき事実のないことに係るとき
5 確定判決は口頭弁論終結後の承継人に対しても効力を有するとされています
(民事訴訟法115条1項3号)
が、口頭弁論終結後、当事者に承継が生じた場合には、当該判決に基づいて単独で登記するために承継執行文の付与を要する場合があります。
6 判決に準ずるものとして以下のようなものがあります。
(1)和解調書
(2)調停調書
(3)仲裁判断
(4)認諾調書
(5)外国裁判所の判決(執行判決を要します)
(6)家庭裁判所の審判書、調停調書
7 判決による登記の手続には、常に、執行力のある確定判決書の正本(執行力のある確定判決と同一の効力を有するものの正本を含む)を登記原因証明情報として提供しなければなりません。
(不動産登記法61条)
この場合、判決書の謄本を提供することはできません。
❓判決書の正本を紛失してしまった場合は…。
この場合、判決書正本の再交付申請をすることになります。