お金の貸し借りや養育料の支払いなど[金銭債務について履行を怠った場合は、強

制執行に服する]とする文言を強制執行認諾条項といいます。

 

 こうした内容を公正証書で作成することによって、債務者(お金を借りた人や養育料を支払う義務がある人)が支払いをしなかったときは、裁判手続なしで財産や給料を差し押さえられるということになります。

 

 具体的に執行するときは、債務者に送達されていることが必要になります。

 

 書類の内容を知らずして強制執行を受けることがないようにするという趣旨です。

 

 いざ、そのときが来たときに、債務者が住所を異動していたり所在が不明になったりして、送達が出来なかったり、送達するまで時間がかかったりします。

 

 強制執行認諾条項付公正証書を作成するときは、債務者や連帯保証人にも公証役場まで出向いてもらって、その場で[交付送達]をしてもらうことをお勧めします。

 

 なお、平成29年の民法改正により、金銭の授受をしなくても消費貸借契約を結ぶことが認められましたが、この諾成的消費貸借契約公正証書に基づく強制執行は出来ないとするのが現在の実務の扱いとなっていますので、注意が必要です。