『しかるべく』
日常用語ではないように思いますが、裁判の場では頻繁に耳にします。
文語調の言葉ですが、口語調に直すと『そのように、どうぞ』というような意味になるものかと思います。
裁判所が意見を求めてきたときに[積極的に賛成するわけではない(賛成できない)が、裁判所に任せます。]というような場合に使われます。
これは、例えば相手方が、こちらの不利に繋がるかも知れない証人の申請をしてきたときに『お受けします。』と答えてしまうと、自分の依頼人に不信感を与えることもありますし、だからといって『お断りします。』と答えてしまうと、裁判所に対して[証人を呼ばれると困るような事実があるのか…]と思わせてしまうという危険もありますので[裁判所の判断に任せます。]という意味で『然るべく。』と答えるというようです。
もっとも、次回の期日指定の日時を聞かれたときなどは『お受けします。』で何の問題もないのですが、それも『然るべく。』と言っていますし、今までの法廷傍聴では、全ての弁護士が『然るべく。』と答えていました。
法律の素人である依頼人からすると、何だか騙されているような気がしないでもないのですが『あまり嬉しくないけど、やむを得ませんね。』とか言う言葉を耳にするよりは良いのかも知れないと思ったりしますが、どうなのでしょう。。。