「 メルセデスベンツ R171 SLK55 アライメント調整 」です
いつもの常連のオーナーさんから
「 SLK買ったんで お願い 」
ということで 御入庫です
いつも有難う御座います
では 受け入れでの試運転 ・・・
あ、左流れが在りますね
この辺りの年式のメルセデスでは 珍しく在りません
じゃ 状態を把握したので
やりますかあ !
上げて ~
レベル取って ~ ♪
測定 !
数字は ・・・
あれ ? ・・・ 「 結構良い 」( 笑 )
しかも 見る限り
「 誰かがアライメントやった形跡も無い 」
ということは ・・・
「 ラインオフそのまま ? 」
もしそうなら
この個体
「 かなり丁寧に作られた個体 」ですね
実は この個体 ・・・
なかなか 「 レア 」で
こんなのが 付いてます
ここで 気が付いた人は
「 相当な メルセデスマニア 」ですわ
もっと 分かり易く ・・・
こうですね ( 笑 )
そう ・・「 特大ブレンボ6ポッドキャリパー 」
もともとは
「 F1 ペースカー 」の為に開発されたブレーキですわ
ここで 皆さん 誤解の無いように 言いますが
こういう
「 強烈なブレーキって 良く効くのか ? 」ですけど ・・
「 効き 」に関しては
「 ワゴンR 」でも 「 軽トラ 」でも
「 効きが悪いブレーキってのは 在りません 」
( 壊れてりゃ別ですが ・・・・ )
どういうことかというと
思い切り踏んで 「 タイヤがロックして ABSが効けば 」
どんなに 強烈なブレーキでも
「 タイヤがロックする制動力以上は出せない 」
からですね
つまり 思い切り踏んで タイヤがロックできれば
「 効き 」に関しては 問題無いということです
じゃ なんで
「 こんな高価なブレーキが 必要なのか ? 」ですが ・・
ブレーキというのは
「 運動エネルギーを熱エネルギーに変換する装置 」です
なので 極端なクラッシックカー等 でなければ
「 最高速からの 1発のブレーキング 」で
音を上げる車は まず在りませんね
もし、在れば 大変です
それは 自動車では無く
「 走る凶器 」ですわ
メーカーは ちゃんと 余裕をもって 設計してます
ただ ・・・・
これを 連続で何十回もやるとなりゃ
話は別で ・・・
1.5トンの車が 200(300?)km/hで 走行している
「 運動エネルギー 」は 相当なもんで
それを全てブレーキが
「 熱 」に変えて大気中に放出してます
普通に 町乗りしてれば
ブレーキの温度なんて
100度までいかないと思いますわ ( 笑 )
熱も 「 ゆっくり少しずつ放出される 」ので
ディスクローターも
1周する間に きちんと冷やされ
特に問題は在りません
けど「 下りの峠を全開で攻めたり 」
「 サーキットでのタイムアタック 」
するようなことは
ファミリーカーでは 考慮していません
そんなことすりゃ
ブレーキは 熱を 放出することが
「 間に合わなくなり 」
どんどん温度が上がってゆくことになります
そうなると
「 悪循環の 負の連鎖 」に 入ります
想定温度を超え始めると
ブレーキパッドの摩擦係数が減り
効きが悪くなり
さらに強くブレーキを踏むことになり
さらに温度が上がります
そのうち ブレーキフールドが
「 沸騰し始めます 」
こうなると 悲惨です
ブレーキペダルが ・・・・
床までスッポ抜けます ( 怖 )
経験者なら この時
バンバンバンと 何度か踏みなおすと
幾分か制動力を確保できるのですが
パニックで 踏みっぱなしになると ・・
ほぼ ノーブレーキ状態で
「 破滅へと進んでゆきます 」( 泣 )
で ・・・
こういう 「 強烈な 」
ブレーキは
そういう 「 過酷な連続使用 」の時に
耐えるように
放熱が良く また 通常走行では
在り得ない
「 500度~ 800度以上 」に おいても
「 制動力を確保できるよう 」に
設計されてます
じゃ、そんなにいいものなら
全部の車に付ければ 良いのに ・・・
ですけど
こういうのは 「価格も強烈 」で
ブレーキ1式 「 500万円 」とか
「 1000万円 」なんて言うのが
普通に在ります
( 上を見れば きりが在りません )
ですから 「 用途 」に よって
「 適切な性能、適切な価格 」の
ブレーキシステムが 使用されるんですわ ( 喜 )
ということで ・・・
サクサク サクサク 進めてゆきます
「 数字は この個体 かなり良かった! 」のですが
症状出てるので アライメントで
「 抑えて 」ゆきます
当時 さんざん
「 このくらいの左流れなら このくらいの数字 」
一通り済ませて
試運転 ・・・
ちょこっと 修正して
終了です
オーナーさんと 交代して
「 あ ~ 全然違うわ ! 」と
喜んで頂けました
いつも 有難う御座います
今回 作業中に いろいろ
「 驚くような お話 」聞かせて頂いて
凄く 面白かったですわ
有難う御座います
希少な オプションのこの個体
大事にしてあげて下さいね