
( 今回 、 画像は 本文とは関係ありません )
「 ステアリングシステム 」 です
アライメント屋 最近 良く感じるのは
「 近年のステアリングフィールの違和感 」 です
以前 「 パワステメーカーの社員さん 」 と お話する機会があり
当時 ( 2000年代前半だったと思う ・・・・ ) 驚いたのは
「 もう 油圧パワステの開発はしていませんね 」 でした ・・・
「 え 、 え 、 え ??? どういうこと ??? 」
もちろん 当時 「 電動パワステ 」 は 「 軽 」 などの小型車に多く
「 重量級のセダン や スーパースポーツ 」 は ほとんど油圧だったからです
「 なんで ? 電動の方が フィールがいいの ? 」 と御聞きすると
「 フィールは 当然 油圧の方がいいです 」 と断言してました ( 懐 )
「 じゃ なんで ??? 」
「 一番の理由は 、 油圧パワステは環境に悪いですから ・・・・・ 」
「 ??? なんで 油圧が環境に悪いんだろ ? 」
御存じの通り 油圧システムは
「 オイルに圧力掛けて 行ったり来たりさせてるだけ 」
なので 環境は 関係ないのでは ???
「 そうなんですけど 、 廃車 解体 の時 オイルが漏れるでしょ 」
う ~ ん 「 さすが メーカー 」 さらに 「 その先 」 考えてます ( 感心 )
なので 電動パワステの開発は 、
「 いかに 油圧の自然なフィールに近ずけるか 」 が 焦点だったそうです
それから アッという間に
「 電動パワステ が 主流になり ・・・・・ 」
自分のような仕事してる者でも
「 これは 電動だから フィールが違うから 不自然で やだ ・・・・ 」
ってことを感じさせる ことも無く ( 笑 )
「 素晴らしい出来 」 になってきてます
けど ・・・・
「 一つの到達点 」 に達すると ・・・・・ メーカー いろいろ
「 次のこと 」 やり始めます
実は 「 電動パワステ 」 と 「 センサーとCPU 」 組み合わせて
「 ステアリング バイ ワイヤ 」 にすると 、
極端な話 「 何でもできます 」 ( 驚 )
たとえば 「 ステアリングの舵角と車の動き 」 は
「 変わる方が乗りやすい 」 んですね
かつて 「 零戦 」 の開発時にも
「 パワーが 上がり 速度が増した 」 ことにより
いままで 「 問題とならなかった 操縦性の変化 」 に苦しみます
どういうことか というと ・・・・
低速時に 「 良く 舵が効く 」 様に設計すると ・・・・
高速では 舵が 「 敏感になりすぎる 」 ということです
本当は 「 全ての速度で 同じ操舵角で 同じ手ごたえ で 同じ機動が起こる 」
様に 造らないといけません ・・・・
なんとなく想像がつくでしょうが
50Km / h で レーンチェンジする感覚で
「 300Km / h で 同じ舵角で 同じ回転速度 で ステアリングを 回してはいけない 」
( これも ステアリング バイ ワイヤなら どうにでも 設定できる )
のと 同じようなもんですね
なので 「 零戦 」 では 「 世界初 」 の
「 操舵系を風の抵抗で適度にたわませる 」 という
「 卓越したアイディア にて これを実現 」 させました
ですが 「 ジェット時代 」 となり
それだけでは 対応しきれなくなり
「 フライ バイ ワイヤ 」 の出番となるわけですね
( コストの関係もあり 軍事技術は 数十年先を行ってます ・・・・ )
今は 「 自動車 」 ここの 「 分岐点の時代 」 の様で
各メーカー 「 いろんなこと 」 してきてます
日産も 「 ステアリング バイ ワイヤ 」 市販しましたね
もちろん 「 大手は、 どこも 開発やってないとこ 無い 」 でしょうね ( 笑 )
また 機構はちょっと違いますが 他でも 「 すでに市販してる 」 と思いますが ・・・
ま 、 あの方式では 「 世界初 」 なんでしょう ( 笑 )
将来的には 「 全てステアリングバイワイヤ になる 」 のは
「 間違いない 」 です
これを使えば 10km/h でも 300km/h でも
同じ感覚でステアリングが扱えるようになり
カートのように ハンドルは 「 左右90度くらい回すだけ 」 で
( もっと少なくしても大丈夫だけど 人間の感覚に合わない )
車庫入れから 、 Uターン まで 全て こなせるようになり
どんな悪路でも 「 ステアリングのキックバックに悩まされることなく 」
「 矢のように安定して直進 」 し
「 サーキットで 思い通りに振り回すことが出来 」
「 限界を超えれば 、 車体が勝手に 安定側に振って 収束して 事故を回避し 」
帰りに 居眠りして 、 反対車線に向かっても
「 車体が 本線に戻して安全に止めてくれる 」 ような
夢のようなことが実現しますね
ま、 馬鹿者が 法的に 「 足引っ張る 」 でしょうけど ・・・・・
こういう 「 審査 」 や 「 監査 」 する者 は
「 開発者より 確実に 詳しい 」 必要があると思うのですが
「 世界初 」 の物を 「 どーやって審査 」 するんでしょうね ( 皮肉 )
こーいうの 、 さんざっぱら 大層な 「 審査 」 して
「 合格させた物 」 が 仮に 「 事故を起こした 」 となったときに
「 審査した者 」 が 「 責任取ってる 」 の 「 見たことないけど ・・・・ 」
「 つまらん 言い逃れの為の細かい法律 」 造って
自分たちだけは 「 言い逃れできるようにしてるだけ 」 に見えるのは
自分だけですかね ・・・・・・
ま 本文に戻って ・・・
今は、 各メーカー 少しずつ 小出しにしながら 「 様子見 」 してるとこではないですかね ( 笑 )
この手のシステムは ・・・・・・
「 細かい制御の煮詰め 」 が 全てといっても 過言ではないです
また 「 市販してばらまくと 」 いっろんな 「 トラブルや クレーム のフィードバック 」 により
どんどん システムが 成熟してきます
かつて 「 ロボタイズド MT 」 初めて出たとき
「 なんじゃこれ ? 」 でしたが
あっという間に 「 素晴らしい出来 」 となり
特に 「 機械的に なんら変化が無い 」 のに
「 ソフトの制御が緻密になっただけ 」 で
「 別の車になったよう 」 に変わっていったのには、 驚いたものです
ただ 「 ステアリング 」 は
人間 「 非常に敏感 」 です
「 ほんの少しの変化 」 にも 「 感動 や 違和感 」 を感じ取ります
今は まだ 「 煮詰めが足らない 」 システムも見受けられ
自分が試運転で乗ると
「 細かい違和感 」 覚えるの結構あります
アライメント屋 として見ると
「 これがやりたかった 」 のも 「 よ ~ っく 判ります 」 けど
物によっては 「 アシストを止めて 」 症状を確認して
その後 「 アシストを入れ直して 」 微調整する こともありますね
ある メーカーの システム 勉強させて頂いた時
「 設定項目の多さに驚いた 」 こともありました ( 笑 )
これも 全世界で 「 よってたかって 」 開発すると
「 10年たてば 」 凄くなるでしょうね
ここ近年では 「 ミッション 」 と 「 電子スロットル 」 は
「 進化の速さに驚いた 」 もんなあ ・・・・
けど 今の現時点では
アライメント屋 としては
「 何の制御もしてない 出来のいい 普通のパワステ 」 を
「 超えてくる システム 」 は 「 まだ 本当に少ない 」 様に思いますね ・・・・