
「 空冷ポルシェのリアサス 」 です
画像は、 「 944 」 です
( いきなり、 空冷では、 ありませんが、
比較対象で 見てください )
この世代の911のサス、
一見 フルトレーリングサスのようですが、
こうやって、 色付けて 判りやすくすると
「 セミトレーリングサスペンション 」
であることが明白に判ると思います
ここで、
「 プロのメカニック 」
( うちのブログ見てる方はほとんどじゃないでしょうか? )
以外の人 」 のために
まず 「 セミトレ 」 って なに ? ってとこから ゆきます
( 今日の画像は、 全て 下から見上げた画像で
「 上側が前方 」 となります )
このタイプのサスアームで、
外側ピポット と 内側ピポットが 一直線に並ぶのが
「 フルトレーリング 」 です 例えると、 以下のようになります

( 実際は、 こうじゃないですよ、 最初の画像が 「 正解 」 です )
これに対し、 実際は 、 内側ピポット と 外側ピポット に
「 角度 ( 濃い黄色のラインを参照 ) 」 を付けてます
なんで、 こんなことしてるんでしょう ?
では、 ここで 時代をずーっと さかのぼってゆきます
1980年代 ? いえいえ もっと前
70年代 ?
もっともっと 60年代 始め
フルトレーリング しか なかった頃 に タイムスリップです
あなたは、 「 フルトレーリングサス 」 の 改良に四苦八苦している
「 チーフシャーシデザイナー 」 です
「 フルトレーリングサス 」 ストロークしても
「 対 車体 トーもキャンバー 」 も 変化しません
まっすぐ走る限り 「 理想的 」 な
独立懸架 サス と思ってましたが ・・・・・
パワー上がり、 スピードが速くなると ・・・・
コーナーでの 「 オーバーステア 」 に悩み始めます ・・・ ( 困 )
「 対 車体 キャンバー が 変化しない 」
ということは、 車体がロールする分
「 対 地面 キャンバー が 変化する 」
ということとなります ( ついてきてますかあ ? )
ロールさせないように バネ 硬くすると 跳ねて グリップしない、
かといって 柔らかくすると ・・・・
ロールして、 対地キャンバー が 変化して
タイヤの接地面積 が減り グリップしない ・・・・
( 一つの解決方法は
「 スタビライザー 」 です 賢い人がいますねえ )
「 何とかしろ !!! 」 会社からは 矢のような催促です ・・・・
ロール ( ストローク ) に従い、
( 対 車体 ) キャンバーを増加させ
対地 キャンバーを安定させて
かつ、 ストロークするに従い
トーも イン側に向けられればなあ ・・・・・・・
何か、 方法はないだろうか ?
毎日 悩んだ末 「 神の啓示 」 のごとく 閃きます !!!
「 そうだ、 アームに 「 角度 」 ( 下写真 ① ) 付けよう !!! 」
これにより、
「 ストロークと共に ネガティブキャンバーが 増加し、
かつ トーも イン側に増える 」
という 「 夢のような 」 サスペンション
「 セミトレーリングサスペンション 」 ができたのです
あたりまえのように、 ポルシェも これを採用します
以下が 「 911 」 ( 画像は73年のRS ) です

後の設計の 「 944 ( 最初の画像 ) 」 と比べても、
「 そっくりな 」 ことが判ると思います
このことからも、 この形式に 「 自信 」 持ってたこと うかがえます
かつ、 ポルシェは、 バネ 「 トーションバー 」 として
「 クロスメンバー を パイプとして
その中にバネ ( トーションバー ) を 収める 」
という、 「 天才的な解決方法 」 を 取りました ・・・
超合理的です ドイツ人恐るべし ・・・・
では、 これには 欠点が無いのか ?
実は 「 減速G にも 横G にも ブッシュがたわむと
トーアウト側に動く 」 という欠点がありました ・・・
「 911 」 では 、 この問題を
「 ブッシュを小さく硬く 」 して 動きを抑える 」 という解決方法を
取ってました
デメリットは、 「 乗り心地が悪化する 」 です
当時のポルシェ 「 大した問題ではない 」 と 割り切ってたようです
実際 今乗っても 「 大した問題ではない 」 です
それより 「 エアコン効かない 」 方が 「 大した問題です 」 けど ・・・・
では、 89年デビューの 「 964 」 では ・・・

やっぱり 「 セミトレ 」 です
これも 「 超面白い 」 のですが ・・・・・
書きたいことが 「 いっぱいありすぎて 」 収拾つかなくなってきたので
続きは また ・・・