
( 画像は、ウィキペディアより引用 )
「 ランチア ストラトス 」 です。
これ過去に数台やりました。
アライメント屋にとっては、
手ごわい相手です・・・・・・・。
最初、1台目やったときは、
5.5時間かかりました・・・・・・・。
たぶん、私、作業は
かなり早い方だと思うのですが・・・・・・。
数台やって、大体
平均は 6時間くらいです。
普通、1台目より 2台目 3台目 と
慣れてきて、早くなってくるのですが、
ストラトスは、いつやっても、
大体 6時間 位かかります・・・・・・・ ( 泣 )
各ロッド、ばらさないと動かせません。
さらに、フロントキャンバーは、
テーパーになっていて、
( タイロッドエンド交換の要領です。 )
リフトアップ 、 → 外す、
「 このくらいかな ? 」 →組む 下ろす
ゆすって落ち着かす →
大雑把に トーあわす。 ( 誤差が出るため )
数値を読む → ダメ →
振り出しに戻る。
で、ようやく、希望の数値になれば、
キャスターの調整
測定 → 外す、 「 このくらいかな ? 」 →
組む 下ろす
ゆすって落ち着かす →
大雑把に トーあわす。 ( 誤差が出るため )
数値を読む → ダメ →
振り出しに戻る。
で、大体OKなら、
もう一度キャンバーを見る。
ありゃー、ロッド長さ変えたから、
ずれた・・・・・・。
キャンバー振り出しに戻る。
( これ、リアのスラストアングル、
大体あってる場合で、これが
全然ダメだと リアトー 先に、
あわせる必要があり、さらに
作業工程が増える・・。 )
おまけに、1台の個体は、
実戦で使ってたようで、
各部固着してて、
まずばらして、万力にかけ、
ナット、スムースに
動くようにしてから
再度組み上げ、その後、
調整 なんてのもありました・・・・・。
リアは、リアで、
「 ストラトス 」
ラリー チャンピオンマシンなので、
足いいのかな? なんて思ってたら、
リアサス、大きな欠点あります。
フロントサスは、
ダブルウィシュボーン、
まあ、合格点かな
( 当時とすれば ) と思いますが、
( それでも その程度。
特に素晴らしいということはない。 )
リアは、ストラット それに、
逆Aアームとテンションロッド。
これ、
ジャンパオロ・ダラーラ大好きで、
当時 よく使ってます。
ミウラP400 、 S ( SV は別 ) 、
カウンタック ( LP400だけ )、
ストラトスなど、
諸説色々あっても、自分は
リアサスの形式から、
これら全ては、ダラーラが、
大体 同時期に、
「 図面を引いた 」 と思ってます。
まず、これ、どこがダメか。
この形式は、絶対に
「 ゴムブッシュ 」 との相性が悪い。
つまり市販車に向かない !!!!。
全てピロ化すると、問題は消えます。
たぶん、ダラーラ、
レーシングカーで、問題なかったので、
そのまま図面引いたと思います。
けど、この形式、1箇所でも
「 ゴムブッシュ 」 使うと、
アライメント屋が一番こだわる
大事な 大事な 「 リアトー 」
アクセルの 「 オン オフで 」
変化しよるんですわ・・・・・・・。
しかも、その変化の度合いは、
ロアアームの長さを半径とする
円運動で・・・・・・・。
ストラットは、
対地キャンバー変化との兼ね合いで、
長さ 自動的に決まってきます。
にも関わらず、
「 ゴムブッシュ 」 使っちゃった、
「 ミウラ 」 は操縦性に苦しみます、
これに学習し、
「 フルピロ 」 で組み上げた
「 LP400 カウンタック 」 には
この問題は出ませんでした。
さらに、400S以降の、
「 右サイドブレーキ
ロングホイールベースモデル 」
では、平行2本アームで、
完璧に解決を見ました。
アルファ156や
インプレッサ GC系も同じです。
サス形式は、 LP400だけが
リアサス ダブルウィシュボーンで
違いますが
考え方は同じ・・・・。
じゃ、ストラトスはどうか・・・・・・。
「 ゴムブッシュ 」 使ってる、
なんて書いてある文献もありますが、
少なくとも、自分の見た個体は
全て車体側はピロでした。
ただ、 「 テンションロッド 」 に関しては、
絶望的に 「 ダメ 」 ですねえ。
ロアアームにそのままボルト止めして、
さらに車体側までそのまま普通に
ボルト止めの
「 剛性結合 」 してやがる・・・・・・・・。
その為、サスアームが
ストロークするには、
「 テンションロッドがねじれる 」
しかない・・・・・・・。
これ、大体同時期に図面引いてる、
フィアット X 1/9 でもやりよった・・・。
「 おい、 ダラーラ、市販車でも、
手を抜いたらあかんやろ・・・・ 」
間違いなく、
テンションロッド作り変えて、
アーム側、車体側の2箇所を
ピロ入れると、
めっちゃ良くなります !!!。
「 うそだと思うなら、
アームだけにして、
ストロークしてみてください。
きっと頭にきますから・・・・。 」
ただ、いいところもちろんあります。
ストラット頭頂部、
マウントしてるところ
「 鉄骨の角材 」 です。
見るからに剛性高そうで、
ジャンプなどにも強そうです。
この辺りは、「 さすが 」 ですね。

( 画像は、ウィキペディアより引用 )
さて、 こいつの試運転ですが、
はっきり言って、
今までで、一番手ごわかった・・・・・。
車体めちゃ小さいので、
「 ナメて 」 ました・・・・・。
ミラー、調整は、もちろん、
「 フルマニュアル 」 です。
かっこいい、 「 ビタローニ 」 ?
( だと思う ) のミラー、
経年変化で、カチこんでて、
動かすと 「 パキッ 」 といきそう・・・・・。
まあいいや、ちっちゃい車だし
( 本当に小さいです ) いけるだろ・・・・。
走り出して、10秒で後悔しました・・・・・。
「 なんじゃこれー、
全く後ろが見えない !! 」
そーです、丁度 自分の耳より前は
よく見えるのですが、
耳より後ろは、
振り返っても、全く見えない・・・・・・。
車線変更は恐怖でした。
ウインカー出してるのですが、
インジケーター、右左はなく、
昔の原付のように、
左右共通の1個のオレンジのランプが、
音もなく
( してるのかもしれないけど、
うるさいから判らん !!!!)
点滅してるだけ。
これ本当に外側ついてんのかぁ ?
後ろ、全く見えないので、
ちょん、ちょんとハンドル切って、
「 右に曲がりますよ 」 って意思表示して、
「 神様、 どうぞ右側に、
原付がいませんように・・・ 」
と祈りながら、
おっかなびっくり曲がります。
これに比べたら、
ディアブロやムルシェラーゴなんか、
めちゃ視界いいです。 天国です。
試運転終われば、
手に汗びっしょりでした・・・・・。
皆さん、 「 ストラトス 」
運転する機会があれば、
サイドミラーは、
「 絶対に 」 あわせてから
乗ってくださいね。
運転席からは、
手なんか届きませんよ・・・・・・。