2年前の今頃は 入院していました。
手術をするためでした。

ちょうど
お店にカウンターを新設して
さぁ!ここでいっぱいつつむぞー!
そう意気込み
つつむへの想いにエンジンがかかった時でした








たくさんの人につつむを届けたい
その気持ちが強すぎたか
頑張ればやれると
頑なに信じて頑張りが過ぎたか


動きたくて仕方がないふじこは
自分でスピード調節が出来なくなっていて
結果
強制的にブレーキがかけられることになった








ジワジワ増え始めていたオーダーの全てを
お断りし

いつお店に戻れるか
またつつむことができるのかどうか
私もまだ分からないんですと
お伝えしなければならなかった



メッセージやLINEが届くたび
病状には極力触れずに同じ返信をし
そのたびに
確かに自分にあったモノが
一つ一つ、無くなっていくような気がした








インドア派長男は大学受験を控えた夏で
アウトドア派次男は思春期反抗期真っ只中

「明日から入院するわ」

とうとう前日まで話せないままで
大した説明もせず
子供たちをいつも通り学校に送り出したあと
神戸の病院へ向かった

「私、帰って来るのかなここに」

他人事みたいに考えながら病棟へ上がった

家族と離れ何日も家に帰らない
お母さんになってから
こんなことはもちろん初めてで

仕事だけでなく
子供たちのお弁当作りや洗濯やご飯
何一つしてやれない母、自分に
どんどんなっていった

辛かったけどどうすることもできんかった







手術のあと
寝返りすら打てず寝たきりになった

ただ寝てるだけじゃなく
四六時中嘔吐し
意識も朦朧として幻覚を見る
あの世なんかこの世なんか?
生きてるのか死んでるんか
自分でも分からん
寝たきりより最悪な自分で何日も過ぎた


1人で何も出来ないこんな私は
生きてる意味があるのか?
死んだ方がマシちゃうんか?






いつ帰って来る?頼みたいことがあるねん。


次男が
まともに動けないふじこに普通に聞いた


あんな、UNIQLO行きたいしな
散髪も行きたいねん


彼がめっちゃ普通に言ったから
思わず吹き出して
その時初めて笑ったのを覚えてる


何も出来なくなったふじこでも
必要とされている
頑張ってない寝たきりの母親でも
帰って来て欲しいと言ってくれている






帰りたい。
あの子たちとの毎日に帰りたい。
戻りたい。
お店のカウンターに戻りたい。

帰って気配を感じられるだけでいい
戻ってカウンターでお客様に会えるだけで
それだけでいいから
もう なんも要らんから
どうかお願いします、て
腹の底から思って祈った。







ふじこはふじことしているだけでええんやな
出来ることや、やれることを積み重ねまくって
すげー価値のあるふじこにならなくても
役立たずでカッコ悪くて情けなくて
子供たちに助けてもらって
お客様から支えてもらって
完璧じゃないふじこでもええんやな






全部無くしたって感じてたけど
全部あってんな

あったのになぜか失うって不安で
頑張ることをやめれんかったんやな
それを教わるブレーキやったんやな






きっと
本当のつつむ人、になるために
2年前始まった

頑張ること
飾ること
盛ることに逃げない

ふじこがふじこの価値を正面から
丸ごと自覚する

遠慮せず
理由も付けず
ただただシンプルに
ふじこらしい道を行こう
行っていい、っていう授業



受けれて良かったわ。ほんま。









今日も健康につつめるふじこが大好きやー!