幼い頃から両親はふじこを
とにかく褒めて育ててくれました
理系の弟の方が
よっぽど成績優秀やったのに
それでも母はいつも
『お母さんはね、おメメの大きな女の子が欲しかったのよ』
そう何度も私に話しては
『だから、あなたが生まれてくれて本当に嬉しかった』
毎回同じこのセリフで
話を締めくくるのでした。
子供の頃から
色鉛筆や絵の具が好きやったふじこは
色を合わせたり重ねたりすると
とにかくワクワクした
市販の塗り絵を何冊も買うと
お小遣いの範囲を超えてしまうので
自分で描いた絵に色を塗り
自分だけの塗り絵を作って遊んでいた
両親はいつも
私の描く絵を褒めてくれた
そのたび
もっと上手に描いてもっと褒められたい
そう感じていたのを覚えてる
次男の進路が決まってから
いや、決まる前くらいから
中学校の先生や
近所の人たちに
同じ質問を何度もされた
『どうやって子育てしたんですか?』
私の子育てはまだ道半ばで
ていうか
そもそも子育てしてる感覚はゼロで
親育てしてもらったと表現する方が
全然しっくりくるくらいやねんけど
1歳から預けて仕事することなったことや
ママのところに帰りたいっていう
次男の涙の訴えや
おうちにずっといるお母さんがいいっていう
兄弟ともの希望を叶えられないまま
叶えるどころか
死んでしまうかもって恐怖を
思春期の彼らに与えたりもして
その半年後に
長男は巣立ったわけで
次男もまた
同じ道を行こうと進路を決めて
たぶん
おかん頼っとったらマズイな?と
2人がどこかの時点で悟ったか合致したか?
自力で考えて行動するようになったんと思う
ふじこは
彼らの理想のお母さんには
程遠いお母さんで今もいる
どんな子育てをしたか?と聞かれたら
育てられたんはこっちですわ!やけど
どんな風に彼らと過ごしたか?と聞かれたら
それは答えられる
子供とか大人とか関係ない
色んな楽しいことして
一緒に考えたり笑ったりして過ごしてきました。
だから
『あんたたちが生まれて来てくれてほんまに嬉しい』
おかーさん
私おかーさんと同じやわ〜