今日のふじこ

車の免許を取ったのは ふじこが19歳のとき

運転しながら この景色を この位置から眺めるのが

私は すごく好き

この道を真っ直ぐ走ると 実家に到着する

反対の方向からではなく 辿り着く前の この景色がいい

私の通学路


部活で真っ黒になって過ごした3年間

暑い夏の練習を 一緒に頑張った仲間は どうしているだろう

いつも一緒に帰っていた 近所の友達は 元気かな

レギュラー争いでケンカしたあの子に 謝りたかったな

進学のとき 私の頑固な希望を叶えてくれた先生に ありがとうが言えてない


通学路を通り過ぎる一瞬に 

毎回 一つは頭をよぎる なつかしい記憶と 後悔


去年の暮 

小学生の頃から仲良しだった友達から 久しぶりに電話があった

「同窓会、ちゃんとやりたいねん」

彼女は 自分が幹事に任命されていながら

役目を果たせていないと 長年気にやんでいた

名簿もないし 連絡がつくのは数人だし きっと無理・・・

ずっとそう思ってやらずに来た でも どうしてもみんなに会いたい

「よし!一緒に手伝う!」 と 簡単に言ってしまった・・・


半年間の準備の途中で 何度も やっぱり無理かもと

あきらめそうになった だけど ほんの数人、知ったメンバーだけになっても

それでもいいから やってみよう と思いなおした

未完成な子供だった自分を 乗り越えたかったから


今年の春

担任の先生も含め 60人の同級生が 同窓会に参加してくれた

当日は 男の子も女の子も 子供たちも みんなが

あらゆるお手伝いをしてくれた

その度に 

中学生だった自分では 素直に言えなかった 「ありがとう」 が言えた

参加したみんなからも たくさんのありがとうをもらった

だけど 私は 自分が 「ありがとう」 「ごめんね」 が言えたこと

ここに集まってくれたみんなに 言わせてもらうチャンスをもらったこと

それが何より 有難かった


通学路を走る 一瞬

今は みんなとのなつかしい思い出と 感謝

後悔、は、全くなくなったわけではないけれど・・・


実家からの 帰り道

反対方向からの 通学路を背にする景色を見ても

なんだか 清々しい気持ちで 通り過ぎることができる

やっと 少し 大人になれたのかもしれない