藤鯛です。


7件目の記事になります。


今回は私の持病であるアトピー性皮膚炎のお話。


どうぞよろしく。


​そもそもアトピーって? 


アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能が低下し、痒みのある湿疹が現れる病気です。

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返し、その症状の強さも人それぞれで違います。


よく勘違いされることですが、アトピー性皮膚炎は移りませんし、根本的に完治させることもできないそうです。


よくアトピーの人が言われる、「移るから近寄るな」や「不潔なだけじゃないの?」は全部大嘘です。

…確かに、皮膚が不潔な状態だと症状が悪化しますが、皮膚を清潔に保っていてもなかなか湿疹やかゆみは消えないものです。

その原因は皮膚の衛生状態だけじゃないので。


アトピー性皮膚炎の悪化の原因は先述した皮膚の衛生状態の他にも、ダニなどの虫や、汗、ホコリの他、ストレスによっても悪化してしまいます。


​大人になっても… 


よく、アトピーは子供のうちに治ることが多いと言われてます。


実際、ほとんどは子供のうちに自然に治りますが、まれに成人になってもアトピーの症状が出続ける人もいます。

私がそうですし、有名人でいえば、政治家の河野太郎さんもそうです。


大人になっても症状が出ている人だと余計に不潔なだけに思われたりすることがありますし、(子供にも一部当てはまりますが、)普通の人が楽しむようなこともアトピーのせいで抵抗があったり、あるいは肌質の関係で出来なかったりもします。


たとえば、海やプールで遊ぶ時に水着を着たいけれど、アトピーの肌荒れを見せたくない、といったものや、化粧品の成分が肌質に合わず炎症を起こすためメイクが難しかったり、熱いお湯が肌の痒みを引き起こすため温泉に行きにくかったり、とにかく色んな場面で普通の人よりも苦労することが多いです。


​症状は人それぞれ、なのだが… 


アトピーの症状は本当に人によって様々で、湿疹の出る場所からその強さ、何がアトピーを悪化させるのか、という所まで、人によって違いが大きいです。

そのため、アトピーの症状に対する理解・価値観を巡って、アトピー患者と一般人だけでなく、アトピー患者同士でも対立が起こることもあります。


これは私の例ですが、私は昔からアトピーの湿疹が強く体に出ていて、手足から体幹部、頭や顔の様々な部位に症状がありました。

薬を塗っても痒みが酷く、家でも学校でも常に体を掻いていて、毎日体のどこからか出血があったくらいです。

頭皮からはフケも出ていました。

私の周りには私以外にアトピーの子があまりいなかった(あるいは症状の強い子がいなかっただけかも)ので、あまりアトピーに対する理解もなく、私に対して差別的な発言をしてきたり、「掻きすぎ!」や「うるさい!」と怒られたりしてきました。


さらに私の場合、2件目の記事「発達障害と診断された日」で語ったようにASD(自閉スペクトラム症)の感覚過敏も持ち合わせているため、他のアトピー患者よりも皮膚の不快感や痒みを強く感じてしまい、どうしても我慢できず掻きむしってしまうことが多かったので、見た目の印象は非常に良くなかったと思います。

これはアトピー性皮膚炎という病気で、こういう症状で…と説明すれば理解を示してくれる人もいたので、何時しか私はアトピーのことを周りに話して理解してもらおうとするようになりました。相手はアトピーのことをよく知らないので、私について誤解しないよう、正しい情報を伝えるべきだと考えたからです。


ところが、大学生になってからある友人(高校から知り合った)と口論になったのですが、その時に「俺もアトピーだけど、俺はなんとも思わなかったよ」と言われました。

彼はアトピーではあったものの、症状はそこまで重くなく、また周りの人に悪く言われることもほとんどなかったそうです。

そりゃあ、症状が違えば、それを取り巻く周囲の環境も違った訳ですから、そんな彼の価値観から見れば、私の行動や症状については理解が難しかったと思います。

しかしまぁ、症状の軽い人から見た重症の人の認識はそのようなものなのかもしれませんが、とても悲しくなりました。


このように、同じアトピー患者でも、その境遇によって価値観などに大きな違いが生まれ、時に対立を生むこともあります。

これもアトピーの辛いところですね。


​清潔感を重視する現代の価値観 


現代は特に、何においても清潔感が大事だとよく言われます。

よくあるものでいえば、恋愛や就職活動などでしょうか。特に男性に対して清潔感を求める女性はとても多い印象です。

清潔感のある見た目をしていると、その人の印象は良くなりますし、逆に清潔感がないと、自堕落な人という印象を持たれたり、単に気持ち悪いと思われることもあります。

そんな中でのアトピーの辛いところは、不潔どころか、むしろ一般人よりも気を遣って清潔を心がけていても、見た目には不潔に見えてしまうというところです。

このことは私自身も強く実感していますが、毎日お風呂に入って髪や体を洗うなんて当たり前で、部屋を掃除していたり、食生活に気をつけていても、症状が出る人は出てしまいます。

もちろん、お風呂で使うシャンプーやボディソープは肌への刺激が少ないものをつかっていますが…

私の場合はなかなかフケが治りません。


本人が余計な苦労を強いられるだけでなくそれを周囲にも理解されにくいという二重苦、さらにそのストレスで症状が悪化と、良くないこと尽くしです。


​どう向き合うのか 


アトピーは完治させる方法がなく、自然治癒する人は自然に治り、大人になっても残る人もいます。

そして、その症状が悪化する原因も症状の出方も人それぞれで、その人個人にあった向き合い方というものがあります。

まだまだ謎の多い病気ゆえ、これからも苦労することがあるかと思いますが、私としては上手く向き合って生きていきたいと考えてます。