私はいつも神様の国へ行こうとしながら地獄の門を潜ってしまう人間だ。
一昨日、ツイッターで触れた、坂口安吾の短篇、
「私は海をだきしめていたい」の書き出しである。
巧いというか、思いついた瞬間、
本人も唸ったのではないか。
人生って、そういうものだよなって意味で。
また、身につまされる人もいる一文だと思う。
高い理想を抱きつつ、逆の現実に堕ちてしまってる感覚。
自分はもう「神様」も「地獄」も信じてないし、
そのほうが楽なこともわかってるつもりだけど、
理想と現実の落差というか、振れ幅にこそ、
人生の哀しさも美しさもある。
痩せ姫もおそらく、そのはざまで揺れる存在だろう。