このシリーズについての説明は、

(1)を参照されたし。

 

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値下がりしていたしトータルカロリーが100kcalだったから買った杏仁豆腐、食べられなくて一口でやめた。この一口分に含まれるカロリーはいくつ?

 

ちょっとした物が、隙間とか台の下とかに転がり落ちた時、何に突っかかることなく腕を差し込んで取れるのはけっこう嬉しかったりする

隅っこの棚と壁の狭い間とかに入り込むのが昔から好きだった。寂しくなるとそこに逃げ込んで本を読んでは「はしたない」って怒られていた。小学校四年生くらいには主に体の幅でもう入れなくなったそこに、今また滑り込めるようになれたことが嬉しい。
 

体重ってそれなりに大きいプライバシーのはずなのに、こうも簡単に「言え」と、目の前で「体重計に乗れ」と言われると、自分の人権はいずこへと思わなくもない
健康診断の体重とこないだ測らされた体重が、担任に寸分の狂いなく伝わっていたのには驚愕した。また減らしたことに驚いた様子の先生を見るのは少し愉快だったけど、それだけ。聞くところによると、職員会議でも話題になったらしい
学校のカウンセラーの人たちのことを一切信用していないのは「守秘義務があります何でも話してください」って言うくせして、私の話は必ず担任に筒抜けになるからだ。
カウンセラーに限らず、どんな人だってそうだ。「秘密だよ」って言ったものは必ず誰かに伝わる。だから私の秘密は私だけが抱えて歩くしかないのに「なんで相談してくれないの」ってまるで私が加害者であるかのように嘆かれる。正気か。
 

色素の薄い美人に生まれたかった。もっと賢く生まれたかった。高貴な血統に生まれたかった。正しく生きたかった。こんなことに疑問も抱かず生きたかった。自分にはこれしかないと思えるものが欲しかった。
ひとつ上の従姉妹が、合唱祭でみんなでMozartの戴冠ミサを歌って優秀賞をとったらしい。信仰心はなくとも、綺麗な曲だった。

 

父の日、ね。ネクタイピン送ったけども届いたのか届いていないのか。ここのところ話していないし、あの人は元気なんだろうか
最後に「頬がこけてみっともないからあまり口を開けるな」と言われて以来、会っていない

誕生日ね、めでたいことか。自分の日にちは427(しにな)だと気づいて以来、毎回微妙な気分になっていた。気づかなければただの1日だったものを、気づいてしまって言葉にしてしまうと重たい。言霊あるのだろうと感じる
「おめでとう」の一言でいいから欲しかった

今年の恨みを今言っても仕方ないことだが
父の日といえど、私をメインに養っているのは母なので「いつもありがとう」と書くのは嘘っぽくて好きではないが、自分が言葉を求めているのなら言葉を贈るべきなのかもしれない。でも、なんて?書けばよい?
私が何か書いても、あの人から返ってくることはないのだろうと思いきれない自分が恨めしくもある。愛称でまた呼んでほしい。痩せても呼んでくれなかった。痩せる前もダメだった。

 

小豆が食べたかった。和菓子はカロリーが書かれていないことが多いしカロリーを見ても100kcal以下のものが見つからないため諦めた。
明日はもう少し減っていればいい。今の流れを崩したくない

 

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学校に痩せ姫の生徒や児童がいたら、

職員会議レベルの話題になったりもする、

というのは、なるほどという感じだ。

危機管理のひとつ、ってことなのだろう。

学生が痩せ姫でいるための難しさは、

そんなところにもある。

 

父親に対し、愛称でまた呼んでほしい、

というのは、小さい頃のように、

ということなのかな。

ただでさえ、父と娘に距離ができがちな思春期、

そこに拒食まで加わったことで、

断絶が大きくなった、ということかもしれない。

 

季節は6月。

高校生の彼女は、小学校3年生くらいの細さになって、

さらなる痩せを極めようとしている。