「どうして世間の人は、
女性がやせるとステキになったと言い、
拒食症になると、
とたんに〝おぞましい〟なんて言い方をするの?」
24年前、雑誌「コスモポリタン」で見つけた、
海外の痩せ姫の発言。
彼女はしかし、以前にはこんな気持ちも味わっていた。
「インドの強烈な太陽の下でトレーニングをするのは最高!
夜はもう、何も食べないで寝るのが習慣になった。
もちろん、おなかはすいているけど、
食欲を抑えるのって快感でもあるから、
ヒンズー教の行者みたいに、
自分に厳しくすることで何かつかめそうな気がするの。
頭も体もフワッとしたハイな状態になって、
私は神に近づいているって気分を楽しんでいる」
自分はかつて、この人の発言を、
ダイエットの美意識と摂食障害の病理とが、
「根っこの部分でつながっている」、すなわち、
地続きだと言うために引用した。
その境目は曖昧だ。
当時は「地続き」だと指摘するのが限界だったが、
今はもっと言えることがある。
自分以外の人が何と言おうと、気にする必要はなく、
自分が「素敵」だと感じられればそれでいいのだから、
と、さらに強調していきたいと思う。