私がADHDの診断を受けた日
私は何も失っていないはずだった。
先生が
「 今までよく生きてこられましたね。」
と声をかけてきた。
意味が分からないので、
キョトンとしていたら
一緒に付いて来てくれた
近くに住むM姉が泣いていた。
益々、意味が分からなかった。
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大人になってから
発達障がいがわかる人は
少なくないらしい。
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私は、幼少期
心に蓋をしたことで
大人になっても
生きづらさを感じる
感情や感覚を
持ち合わせてなかった。
先生が何を汲み取って
声をかけてくれたのか…
姉が何を感じて
悲しんでるのか…
全く理解出来なかった。
( 痛くも痒くもないのに
私は死ぬ病気なのか? )
会計の時、
処方箋を渡されたので
帰り道の、薬屋さんによると?
「 ここには常備してない薬なので
大きな薬屋さんに行ってください。」
なんだか急に恐くなった。
( 特別な薬なの? )
元気だし、
超〜ポジティブだし
生活も出来てるし
薬は大丈夫やろ(笑)
そうこうしているうちに
忘れることが特技な私は
薬の事を、すっかり忘れ
次の診察もいらないと
自己判断しました。
陸人も、優人も、
父親に問題があり、
その遺伝が子ども達に…
と、ずっと信じて疑わなかったのに
まさかの私も…。
( 類は友を呼ぶ )
面白家族構成。
( また、ネタが出来たな(笑) )
そんなことを考えながら
家路につきました。
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それから次の休みの日
カフェの、サカさんところへ
ネタ話を持って行った。
サカさんは、
「花ちゃんは、
アスペルガーと思ってた 」
と言うのです。
そう言えば…
診断された時に
「 もっと詳しく調べたら 、
他の障がいも出てくると思います。」
と言われていたことを思い出した。
「 花ちゃんは、ADHD傾向より
アスペルガーだよ、きっと。」
キョトンとしていると
[ 発達障がいを楽しく学ぶ会 ]
があると教えて貰い
参加してみることにしました。
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お勉強会の講師は、
腹話術師のᎠちゃん先生。
腹話術を使いながらの
Ꭰちゃん先生のお話しは
あっという間で
本当に楽しかった。
( 発達障がいにも、色々あるんだ… )
高校1年生の時
「 変わってる!」
って言われた事が嬉しくて
人に言われる度に
オリジナリティな自分を
理解されてると勘違いしていた。
自分でも薄々気付いてはいたが
母としての自分が、
よく分からなかった。
私って
自分が体調不良の時は
本当に動けなくなる。
だから
無理は絶対にしないで
お弁当を買って来て
子どもより先に寝る。
私って
子どもに強く執着するタイプではなかった。
周りの環境に作用されず
「 うちはウチ、よそはヨソ 」
隣の家が、どんなにお金持ちでも
羨ましいと感じた事もない。
仕事は、いつも120%。
自分のバロメーターを
上手に配分出来ない。
いつも人に気を使い
自分の事は後回し。
みんな、そうだと思っていた。
みんなとは違うって
事実を知った時
本当に衝撃的だった。
みんな、
もっと上手に生きている。
凄いなぁと思った。
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カラオケ居酒屋の近くに
先生の知人の不動産屋さんから
お部屋を借りた。
バイト先まで徒歩2分。
家を借りることが決まった時、
先生が言いました。
「 これからの家賃は、僕が負担するから
和室1つを僕用の部屋にして。」
( 家賃代が浮くならラッキー。)
そんな風にしか考えてなかったが
これが悪夢の始まりでした。
先生の部屋が出来たせいで
自宅にはプライベート空間が
偏食されていく。
一日一回は、必ず家に来る。
「 今日は無理だよ!」
と言うても、
「 なら、この時間は?」
と、必ず時間を見つけてはやって来る。
先生の部屋として
子ども達に言い聞かせても…
私が1人の時や
二人が居ない時は
部屋でテレビを見たり
くつろいでいた。
私は先生に
バレなきゃ大丈夫だと思っていた。
そんな時、事件は起きた。
カラオケ居酒屋から
一緒に帰る予定が
「 今日は先に帰って休憩しとく。」
彼が言った。
私が帰宅すると
先生の部屋の前で
陸人が泣いていた。
理由を聞くと?
「 先生の部屋に入って怒られた 」
と言うのです。
でも、
明らかに陸人の様子が変だった。
「叩かれたの?」
と聞いたら、
「首をグッとされた」
上手く話せないようだった。
落ち着かせ
眠りに付くまで
傍にいた。
翌日、
話を聞き直すと…
何をしてるのかと叱られ
首元の服をグッと掴まれ
宙に浮いたそうだ。
そのまま台所に連れて行かれ
脅迫され
上からドンと落とされたみたいで
苦しくて怖かったと言うのだ。
血の気が引いたし
信じがたかった。
先生に事情説明を求めた。
「 勝手に部屋に入っていたから
注意はしたけど、
そんな事をするはずがない。
暴力なんて振るわれたことがあっても
弱者、まして子どもを教える立場の人間が
そんなことをするわけがない。
子どもの妄想か、
自分を守る為の虚言じゃないか?
子どもなら、あるある。
そんな事より、
この部屋には入れさせないで。
ここは僕の部屋だよね!」
そう言われ…
私は謝った。
陸人が
…虚言を?
すごくモヤモヤした。
結局
真相は分からず
私は二人を疑いながら、
しばらく様子を見ることにした。
自分の都合のいいところに
落とすしかなかった。
だが、
陸人の証明は直ぐに解き明かされた。
鍼灸針で有名な森本先生。
私は事あるごとに通院していて
転校して
不登校になった陸人も
一緒に診て貰っていた。
自分のことが、分からなくても
自分の身体は、
ちゃんと知っている
ということを
私は
先生から完治という現象で
証明され続けられていたので
先生への信頼度は100%だった。
診察の時、森本先生が
「陸人君も優人君と一緒で
嘘を付く子じゃないからね」
その一言で、
私の中の何かが崩れた。
それまで必死に立てていた氷柱。
内側にひびが入った。
( 森本先生には何も話していないのに。)
こんなことは
毎度のあるある。
びっくりしたけど…
陸人の尋常ない
あの様子が
全てを物語っていたんだと思うと
彼への信用が
音を立てて崩れ落ちた。
彼への怒りと
陸人を信じきれなかった自分への
悲しみで
胸がギュンっとした。
帰宅して
彼を問い詰めたが
全然、認めない。
それどころか
ぁ… あの日
確か先生は酔っ払っていた…
という事実を私は思い出す。
( この人、酔っ払うと記憶喪失?)
そう思うと…
私の管理不足だったと
自分を責めることで
彼を悪者にしないようにした。
( 今度から
絶対、気を付けよう。
私がしっかりしなくては。)
私は、そう心に誓った。
そう…
凍ったまま。
˖˚✩⊹⋆.˚⊹⁺ つづく ˖˚✩⊹⋆.˚⊹⁺