さて、セスナ機への搭乗から、長崎大村までの珍道中です。
機長(セスナ機の持ち主は、M田さんといいますから、ここでは、Mさんとします)
その機長のMさんから、「搭乗前に、トイレなどは済ませておいて下さいねぇ」と
言われていました。当然僕は、済ませていました。
でも、当日朝、空港に少し早めに着いたので、缶コーヒーを飲んだのです。
これが最後まで、災いしました。
あっ、それから、僕ともう一人、やはり、職場の男性が同乗しました。
空港の隅っこに、何機も駐機してある所まで、歩いて行きます。
そして、飛行機の胴体の部分に足を掛けて翼に乗ります。
後は、車に乗る要領です。
ドアを開けて、バンっ!て閉めて、はい、ロック。
ミニスカートのキャビンクルーが乗れる広さはないので(機長含めて4人乗りです。残念!!)
機長が、「シートベルトを締めて下さい。」「出発します」
この時僕、すでに、もう一度トイレ行きたいなぁ、と思ったので、機長に、
「あの、すいません、トイレ行ってもいいですかぁ??」
Mさん 「あぁ、大村までは、4-50分だし、大丈夫でしょ??」
僕 「あっ、でもぉ・・・」
Mさん 「どうしようもなくなったら、レジ袋があるから大丈夫ですよ。」 ニコッ!!
僕 ・・・ま、いいかぁ、一時間くらいなら・・・、いいかなぁ・・・と考えて、
「はっ、はい、いいです。」
隣の同僚 「大丈夫ですよー。すぐに着きますからぁ。」
僕 「そだね」 ・・・いらんこと言わなくていいの!!・・・
その時点では、もうすでに、滑走路をすべり始めていました。
あのー、念のために・・・
僕は飛行機大好き男で、普通の旅客機には、二か月に一度位は乗っていましたよ。
Mさん なにやら、管制塔との交信中 ・・「ムニャムニャ ・・・ ナントカ・・・オオムラ・・・ナントカ・・」
管制塔 「ナンチャラカンチャラ・・・どうぞ!!」
Mさん 「・・・ナンチャラ・・ゴニョゴニョ・・・ラジャー・・・」
機は、どんどんスピードを増して、ブンブン音が高まります。
僕 「あー、あのぉ、ヘッドフォンがないんですけど・・」 「雑誌や新聞は??・・・」
などと、キャビンクルーを呼びたい気分でした。
そして、離陸。
ま、この時点では、爽快な気分でしたよ。ワクワクもあったかな。
まるで、空飛ぶ自家用車。広島の街並みがどんどん小さくなります。
風も入って来ます。少し寒いかも。
Mさん 「寒かったら、そのハンドル回して閉めてもいいですよ」 ニコッ。。。
僕 「はい、じゃ、閉めますね」
Mさん 「自家用小型飛行機は、時々こうして飛ばさないとダメになるんですよー」
・・・・・・・・・ ブーーーーーン ・・・・・・・ずっと、エンジン音です。
僕 「あー、そうなんですかぁ」
・・・そんなことより、やっぱりトイレ行っときゃ良かったなぁ・・・ ← ここは、心の中の言葉ですよ。
機が佐賀平野に差し掛かったころです。
Mさん 「このあたりは、佐賀平野ですよ。下は、緑の畑が続いているでしょう」
・・・・・・・・ ブーーーーーーン ・・・・・・・・・
僕 「あれは、麦でしょうかねぇ」
Mさん 「さぁ、僕はわかりませんがね」
Mさん 「ちょっと、遊んでみますかね」
同僚 「えっ、何かするんですか??」 って言い終わった時には、もう、ブゥーーーンって、
急に上昇です。
以下は、Mさん。
これが、ラダーね。こうやると、エレベーターね。ブゥオーーーン・・・。
急降下。
僕 「あーーーーーっ」 ・・・もう止めてよぉ・・・
Mさん 「無重力が一瞬来たでしょ??」
この頃には、僕、通常の判断力を失くしてましたぁ。
トイレ・・おしっこ・・がほとんど限界状態だったんです。
「あーーーーっ」って声出した時は、少し、漏れました。僕まだ、32歳位ですよ。
僕 「あのぉ、僕もう限界なんで、すみません、普通に飛行して下さい」
Mさんと同僚 「あーーーーっはっはっはっはっはぁーーー」
「そういうことだったんだねぇ」
「飛行機好きのあなたが、青白い顔してるわけだよぉ」
「あっはっはっはっはぁぁぁぁぁぁ」
・・・・・ いえ、あの、もしもしぃ、 わらいごとじゃないんっすけど・・・・・・
Mさん 「レジ袋が、そこにあるでしょ、それを二重にして、どうぞ済まして下さい」
・・・どうぞって言われても、こんな狭い空間で、しかも、同僚が隣に居るんですよ・・・
・・・ ま、見られても、自慢できるほどのものではないけど、はずかしいものじゃないけど・・・
いやいや、そうじゃなくってぇ。
無理です。
僕 「あと、どれくらいの時間で着きますかぁ」
Mさん 「んーーー、もうすぐですから、我慢しますかぁ」
僕 「我慢できるところまで頑張ってみます」
・・・・・ シーーーン ・・・・・ ブォォォーーーーン ・・・・・・
もう、冷汗ものでした。
ようやく、大村空港が見えて来ました。
Mさん 「ナンチャラカンチャラ・・・・・ムニャムニャ・・・」
・・・・・英語の発音は、あまり上手じゃないな、僕の方が奇麗に発音はできるな・・・・・
なんて、とにかく、自分を誤魔化すので、目一杯です。
考えると、ぜーんぶ出てしまいそうですから。
無事に、大村空港滑走路に、ランディング。
・・・・・ぶぅぅぅーーーーん・・・・ブルルルル・・・・
僕 「トイレは、どのあたりですかぁ」
Mさん 「あー、あの建物の・・・」
全部は聞いてない。もう、ドアを明けて、駆け出していました。
走りながら、ちょっとずつ、漏れだして来てるような。
もう、だめ、限界。
トイレに到着後、しばらく、失神してたような気がします。
僕のこれまでの人生で、一番我慢した、体験、
そして、これまでの人生で一番、長ーーーーーーーーぁい、時間、
トイレに立ってました。20分位は居たんじゃないかなぁ。
そして、たった一本のカンコーヒーのおかげで、
せっかくのセスナ機初体験も台なし、そんな、珍道中でした。
今から、20年以上も前の出来事です。
それからというもの、僕は、セスナが大嫌いです。
セスナ機を見ると、波動砲で撃ち落としたくなります。
↓ ↓ 応援でもしてみるかぁ、って、トイレに行った後でいいですよー。
