コロナ禍を期に、ナレーションを宅録するナレーターは一気に増えてきた。
インターネット環境や録音関連機器の低価格化も拍車をかけている。
ものによってはオンラインで遠隔ディレクションしながらの収録といった流れもあったりする。
うちの場合は、ナレーターとの時間がなかなか合わないので夜録ってもらって翌朝チェックという流れが多い。
リテイクはまた翌日となってしまうが、お互いの時間に自由がきくのでストレスが無い。
ただ、細かなディレクションがやりにくいのが難点だ。
宅録だが、それなりの環境と機材はあった方がいい。
最近32bitフロート録音機が安くで出ているが、これだけで収録というのはちょっと厳しい。
録音レベルに関しては32bitフロートなので全く気にする必要が無い。マイクは付属のものでは特性による。
ステレオマイクや内蔵マイクでは周辺のノイズを拾う可能性があるので避けたい。
単独録音機をお勧めできないのはプレイバックチェックがやりにくいということだ。
指定の尺に収まっているか、ノイズは混入してないか、音量バランスはどうか…、何テイク前が良かったかな…などなど
こういったチェックをしやすいのがパソコンの波形ソフトだ。
収録音を波形で見られるので音量バランスはもとより間を含めた尺のチェックもやりやすい。
パソコンにオーディオインターフェースを繋いでそこにサイドアドレスマイクをキャノンコネクターで繋ぐといったスタイルがベスト。
最近では低価格のマイクでUSBを直接PCに繋げられるものもあるようだ。
そして自宅の場合は雑音と反響の調整が難しい。
和室でそこそこマイクが近くで大きな声での録音であればほぼ合格レベルになるが、最近は和室の無いお宅が多い。
そんな場合は周囲にカーテンや毛布を配置して吸音をする。それでも外部からノイズが入る場合は防音室を作るしかない。
知り合いのナレーターでも数人、専用の録音スタジオを作っている人がいる。冷暖房に苦労しているようだが^_^;
マイクの奥に小型の吸音パネルを置いて録れるツールもネットで購入出来る。限定的だがある程度効果はある。
そもそも専用の録音スタジオなんて、映像編集スタジオより時間単価が高かったりする。設備も凄い高価な機材がずらっと並んでいる。
そんな専用スタジオに対抗しようというわけだから、安易な機材と環境で録音しようという考えは甘いと思った方がいい(笑)