ラウドネスで音量差は少なくなったが… | スローライフでCMプロダクションinとっとり

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テレビCM専業のワンマンオペレーションプロダクション。
クロマキースタジオ、ロケ車、特殊効果編集、NA録音、完パケ製作。
趣味が仕事なのか、趣味を仕事にしているのか曖昧。好きなことやって金儲け。
そんな仕事的コラムはかなりマニアックだったり…

テレビCM搬入基準に音声レベルがある。

以前はVUメーター目視で0VUを超えないというのが基準だった。

守って入稿していたが全国版のCMと並んで放送されると明らかに音量が違って聞こえるので、スポンサーからのクレームがちょくちょくあった。

 

そこでTV局に頼み込んで全国版のCMデータをサンプルで貰って波形を確認してみた。

驚きである。びっしり密になっているのだ。これでも0VU?

 

やはり使っている機材が違うのだろうと諦めかけたが、手持ち機材で何とかならないかといろいろ勉強。

アナログ時代には音響機器でグラフィックイコライザーやコンプレッサー、エキサイターを導入してみた。

多少音圧感は上がったがやはり違いはあった。

 

その後アドビの波形編集ソフトでも同様のことが出来る事を知りプリセットを作ってかなり全国版に近づいてきた。

 

そしてラウドネスの導入だ。

それまでのVUメーターでの設定に比べると自動で音量を設定してくれるので安心感はあった。

それでもやはり大手メーカーのCMとは何か音が違う。

音にこだわる人はプラグインにも大量のお金をつぎ込んでいると聞いた。

 

ま、ベーカム時代の音の差が全国版に対して70%だとすると今の音は90~95%くらいと思える。

そもそもCMの構成が違う。ローカルCMは告知CMがほとんどでBGMにナレーションがびっしり乗った構成。

全国版はタレントが喋るようなドラマ設定だったりしてそれほど喋りが多くないのだ。

ラウドネスでは全体の平均値で音量が決められるのでセリフが少ないと少ないセリフの音量を大きく出来るという特性がある。

つまり全体にずっと喋っているとナレーションの音量は平均的な音量にしかならないのだ。

 

やはり音の世界は深い。