LED照明 バイカラーは万能か? | スローライフでCMプロダクションinとっとり

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そんな仕事的コラムはかなりマニアックだったり…

最近の撮影用LED照明器具はバイカラーやRGBのものが増えてきた。

むしろ5500K固定を探す方が難しくなりつつある。

一見、バイカラーやRGBだと単色LEDより使い勝手がいいのでは?と思ってしまうが微妙だ。

 

RGBは組み合わせによってはフルカラー表示できるわけなのでそれこそ万能と思えなくはないが実際の演色性はどうなのか?という疑問が残る。

そしてタングステンとデーライトの間の色温度を自由に設定できるバイカラーだが、基本は白とオレンジの発行体を交互に配置しているだけなので単色の灯体に比べると半分の暗さになってしまう。両方のLEDを点灯させると明るさだけはフル点灯に近くなるが色温度が4000K前後と中途半端な色になってしまい、LEDだけで埋め尽くせばいいのだが他の光源ととなると全く意味をなさない。

 

しかし果たして撮影時にタングステンのような3200Kの光が必要になることがあるのか?

これは目的にもよる。

ドラマとかだと夕方や朝方の光を作ったり、ホテルやラウンジのようなベース明かりがタングステンベースの所でその場の雰囲気を活かしながらある程度顔にも光を回したいといった場合に有効だ。

 

ウチの場合はCMなのだが、ローカルということもあり、ほぼドラマ設定のCMは企画自体が無い。

もちろん居酒屋やカフェなどの店舗紹介となればベース照明はタングステン系が多い。

しかしそこで演者さんを出す場合、デーライトでの補助光の方が見ていて安心感がある。

この地明かりと補助光のバランスが難しい。当てすぎると浮いてしまい、ヘタすると合成のようになってしまう。

結局基本は地明かりなのである。

それでもホテルの部屋のようにすべてがタングステン色でオレンジ色だと日本人はあまり落着かないという話も聞く。

なのでどこかにデーライトのアクセントを入れる。

 

まぁ、そんなわけでCMのロケセットに持ち込むLED照明でタングステン色を求められたことは無い(*^_^*)