山口竜弥はいつものようにユニフォームのパンツの裾をたくし上げていた。
ユニフォームが汗で張り付くのが嫌なんだろう。
栃木SCの守備もまた、ボール保持者に張り付き、しつこく纏わりつくやり方だった。
もう、暑いから絶対触られたくない!と思っていたのか、相手DFから逃げるように走り回り、早いパスワークの結果、逆点となるオウンゴールを導き出した。
前半に不意を突かれたかのような弾丸ミドルで先制されてから、栃木のハイプレスの中攻めあぐね、ああ、またいつもの悪いスパイラルに陥るかあ~、と思ったら後半にはマインドチェンジ出来てた。
監督からも「テンポ」というキーワードが出ていたらしく、ワンタッチでつなげたりしながら攻め手を変えてきた。
栃木は常には前目に張らず、ヴェルディがDFから繋ごうとすると、すすす~っとスピードアップして詰め寄ってくる。
このやり方はかなり疲労があるようで、後半10分くらいには既にぜーぜーはーはーの表情の選手がいた。
後半そのうち足が止まるだろうという予感はあった。弘堅もそういうことを感じてたようだ。
加藤弘堅/KokenKato@koken0403vs栃木
2021年06月26日 21:31
前半に失点!
ただボールを保持する事でジャブのように効き、後半相手は足が止まり出す!
攻めれないもどかしさはあっても
違う効果があるのはヴェルディの強み!
こうゆう試合交代選手の方がきつい!
12番目の選手も含めヴェルデ… https://t.co/tExQQ9AeAr
最後方で横パスをつないでいても、栃木の選手はそれに合わせて動き、その行為がじわじわと疲労になっていったと思われる。
栃木の前線はプレッシャーには来るが、デュエルになるとヴェルディの選手が強い。
さらに栃木ボールになっても攻撃の組み立てみたいなものは見えず、パスミスが多い。
おや?これは・・・そのうち弘堅とかが、ちょっと食いつかせて前線を引き出してやろうとリスクチャレンジし始めた。
と、やってるうちに、モーゼの十戎、小池純輝に繋がる道がサーっと見えたんだろうね、きれいな縦パスが渡った。
そして山下諒也が快足をとどめて?オフサイドラインを踏まぬよう細かく歩幅を合わせて小池からのパスを冷静にゴールの中に収めた。
いや、ちょっと待った!その前にVTRを巻き戻しますと、加藤弘堅からのパスを僕が受けちゃうよ、・・・なんつって!!と、スルーした福村貴幸に今週の踊るヒット賞。
小池にボールがつながると思っていた栃木DFに、パスコースに福村がちょこんと立つことで、え?お前がボール触るん?・・・いや、触らへんのかーい!と思わせた一瞬で守備の態勢を半歩遅らせたことが小池のラストパスに繋がった。
このところの試合で、ようやく、自分たちのペースにならない時には攻め手を変えてみたり、開き直って放り込んでみたり、我慢して攻めなかったりと、試合をコントロールでき始めたようだ。
それと、今節印象に残ったのは井出遥也。大きな体躯を使い、中盤で激しく巧みにファイトした。イエローカードのオマケつき。
ピッチのあちこちに常に顔を出し走り回る。こういうミッドフィルダーがいると心強い。
今節の井出を見てたら、昔クラブワールドカップで見たリバプールのジェラード、F東との親善試合で見たユベントスのネドベドを思い出した。
彼らはやはりピッチを大きく駆け回り、常にゲームの中心だった。そしてその背中が何故か大きく見えるのだった。
試合後のインタビューで栃木の田坂監督いわく、ヴェルディ戦に臨むにあたり、もちろん事前に対策をして、その通りの展開となったが、結局ヴェルディの選手のほうがポテンシャルが高かった、と。
栃木は激しい守備で守り、ボールを奪いカウンターを狙うというのが主な戦術、と言っていいのか、この試合しか見てないからよく分からないけど・・・ベテラン矢野貴章をフルタイム前線で走らせなければならない戦術なのか?
しかし栃木SCはまだ降格圏という順位でもなく、引き分けも多い。
負けないサッカーをしているという事か。
さて、5連勝。
いやいやまだまだ!もっとほしがるよー!
つか、ここからアウエイ、アウエイ、ああ、アウエイ。ですよ!
でも東京いない方が涼しいかもよ。山口さん!