富士子は自宅から車で一時間弱のところに静岡がんセンターがあって

そこにかかることができて幸せ者だな~と思うだけど

もう一つ自宅から40分のところに『コレがあって良かった~』と

心から感謝している場所がある。

それが「幸ハウス富士」

 

 

この前患者会With a cancerの紹介をしたけれど、ここは患者会ではないが、

がん患者やその家族が心安らげる場所であることは一緒だ。

富士子の地元静岡県富士市にある川村病院の隣に作られている施設で、

同病院の関連施設ではあるけどNPO法人幸ハウスが運営していて、

そこの患者でなくても誰でも予約なしで気軽に訪れることができる。

 

昨年3月にオープンしたばかりで、

現時点では利用できるのは水曜日のみとなっている。

10:00~16:00位までの間出入り自由で

訪れた人同士やスタッフらとお茶を飲んだり

持参したお日昼を食べて歓談している。

 

実は昨日、おにぎりを作って幸ハウスに遊びに出かけた。

ここに行くのは3回目。

いつも幸ハウスや来ている方からいろいろいただくばかりなので

我が家で作っているミカン(ハルミと夏みかん)とブロッコリーも

ゆでて持っていった。

こういう施設はまだ珍しいので市内外からいろんな方がきている。

女性の方が数が多いけど、昨日は男性も二人いた。

「幸ハウスに来るのが何よりの楽しみ」

「ここでみんなで話しながらご飯を食べると

いつもよりたくさん食べられる」とみなさん言っている。

 

互いの身体の調子から今食べている料理の話、

近くのおいしい店まであれこれ話す。

富士子が2回目の静岡がんセンターの入院で体験した

デイルーム女子会みたいな感じだ。

 

デイルーム女子会の話を昨日したら

ある人が「自分の入院した病院ではそういう場所がなかった。

何よりも総合病院だから、がんの人同士で打ち解けられない。

だからこの幸ハウスはとても貴重な場所」と話してくれた。

 

確かにあれはがんセンターの女性専用フロアで

しかもHさんのようなムードメーカーが入院していると自発的に発生するのだ。

それが幸ハウスでは毎週水曜日に確実に開かれている

これは確かに貴重だと思う。

 

そしてもう一つ「デイルーム女子会」と決定的に違うことがある。

午後から自由参加のプログラムも用意されている。

午後からは第一が茶道、第二がリラックスヨガ、第三がアロマセラピー、

第四がカフェデモンク(臨床宗教師さんとのお話会)と

週替わりでいろいろやっている。

上の写真(また横になってしまいな直せない)は茶道の時に取ったもの。

キモノ姿でお抹茶をたてているお茶の先生は川村病院の訪問看護師さんでもある。

その横がお抹茶とともにいただいたお菓子。

 

幸ハウスはこの3月で一周年なので今度の日曜

3月10日(10:00~12:30)にイベントを開催するそうだ(詳しくはこちら

がんとは今関係ない人でも興味のある人はこうい時に

覗いてみるといいかもしれない。

そうやって事前に情報を知って置いたり、実際に一度みておくと

万が一自分や身内ががんになったときもすぐ利用することができると思う。

残念ながら富士子は10日はキモノ友とのおでかけの予定を入れており

参加できないがまた近いうちに遊びに行くつもりだ。

 

幸ハウスはマギーズ東京と同じ理念で運営されている施設。

それが静岡県のこんな田舎にできたと知った時にはビックリした。

地元メディアで取り上げられオープンを知った時

その安らぎ感ありつつも洗礼された建物を見てまず興味を持った。

(富士子は建築インテリアに携わった仕事をしていたため)

 

そして、幸ハウスの理念を知り、叔母を連れて行きたいと思った。

このブログにもよく登場する昨年4月に11年のがん闘病の末亡くなった叔母は

病状悪化とともに友達との付き合いを一切たち、

主治医との関係性もよくなくて、孤独に闘っているように見えてなからなかった。

「私はそういうところには行かない」と断言されたのと

当時体力がかなり落ちていて、今はその時でないと

再度チャンスを探ろうと思っていたらそのまま帰らぬ人になった。

 

その後自身もがん患者となり、自分のためにそこを訪ねた。

最初に訪ねたのは昨年11月で最初の乳がん手術を終えた直後。

患者会With a cancerのトークイベントの会場だったことから訪ねただが、

そこで茶道の先生もやっている看護師さんと着物談義で盛り上がり、

「ぜひ着物をきてお茶会にきて」と言われて再び訪ね、

幸ハウスのスタッフや他の参加者にも顔見知りができた。

昨年末にがんセンターの形成外科を初めて受診して乳房再建を決めた日、

このまま家に帰らず誰かと話がしたいと思ったら

その日が水曜であったことに気づいて

幸ハウスによってお茶して帰ることができた。

こういう場が近くにあってよかったと心から思う。

 

NPO法人幸ハウスではこの施設の開設や運営ノウハウを

他にも公開して同じような場所を各地につくるための活動もしているという。

 

幸ハウスは癌になって孤独や戸惑いの中にいる患者さんや家族が、

気軽に訪れ、安心して話ができ、自分のちからを取り戻せる場所です

(同法人のサイトより抜粋)

 

富士子はたまたま近くにそういう場があって運が良かったわけだけど

こういう場はもっと日本中に広がって

誰でもいつでも気軽に利用できるようになってほしいと願っている。