博多以外の山笠?
山笠、と聞くと博多民は博多祇園山笠を思い浮かべると思います。
博多祇園山笠は毎年7月15日にクライマックスの追い山が行われ、多くの見物客で賑わう福岡市の三大祭りの一つです。
「山笠」と名の付く行事は博多以外の地にも北部九州一帯にたくさんあり、北九州から筑豊、さらに佐賀県まで広い範囲で行われています。
今回はそんな山笠のひとつである、戸畑祇園大山笠をご紹介します。
戸畑祇園大山笠は、国の重要無形民俗文化財に指定されているお祭りで、博多祇園山笠、小倉祇園太鼓と並び福岡県夏の三大祭りの一つとされています。
もともとは江戸時代に疫病が流行した際、神社に祈祷したところ流行が収まったことを喜んだ住民たちによって山笠が奉納されたのが始まりといわれています。
一番の特徴は昼と夜とで山笠の姿が一変すること。
毎年7月第4週の金~日にかけて行われ、ハイライトとなる共演会では全山笠が集結します。
迂回バスで会場
2024年7月27日。
ということでその共演会の様子を見るべく、特急ソニック43号で戸畑にやってきました。
この時間けっこう需要があるようで自由席は混雑していました。
戸畑で自由席の2割くらいの乗客が下車していたので、山笠を見に行く方たちでしょうか。
戸畑に降り立つのは多分初めて。
駅名標を見ると、戸畑祇園大山笠のイラストが描かれていました。
改札口には昔のヘッドマークやサボが飾られています。
駅前には山笠の看板が出ていて…
歩いても行けるみたいですが、せっかくなのでバスに乗っていきましょう。
ちょうど駅前に西鉄バス北九州の黒原 ~戸畑線27番霧丘三丁目行きが来たので乗車します。
今日は山笠のため迂回運行。戸畑区役所前(臨時バス停)で下車します。
そこから歩いて会場に向かいます。
同じく会場へ向かう方の中には浴衣を着た方も。博多祇園山笠では見られない光景なのでちょっと驚きました。
会場に到着。
すでに山笠が待機しています。
博多のものとは全く異なる、幟が何本も立てられた山笠。
これが戸畑祇園大山笠の昼のすがた、幟山笠です!
18:30頃、いよいよ共演会の始まり。
鉄道ファンに最近何かと話題にされがちな武内北九州市長を含む多くの方の挨拶があった後…
いよいよスタートです!
まずは昼間の幟山笠の状態で会場を一周。
鐘や太鼓の音にあわせて山笠が練り歩きます。
先ほど挨拶をした北九州市長も山笠の上からお手振り。
一周した後、いよいよ最大の見せ所、昼のすがたから夜のすがたへの移り変わりである「五段上げ」です!
まずは多数立てられていた幟を全部下ろしていき…
周りの装飾も全部撤去。
まだまだ撤去していきます。
そして台座だけになったところで…
提灯が登場!
台座の上に木のやぐらを組み上げていきます。
目の前にいたのは小さめの小若山笠でしたが、少し離れた場所の大山笠はこんなにも高いやぐらを組み上げて…
合図とともに提灯の取り付けがスタート!
まずは頂上部分の四角錐形に組まれた提灯が取り付けられ、続いて下段の提灯も次々と取り付けられていきます。
あっという間に取り付けられていき…
完成!
少し離れた場所の大山笠では…
三角錐型の頂上部分が勢いよく持ち上げられ…
取り付け!
続いて下の部分の提灯も次々と取り付けられていき…
完成!
すごい早業です。
ちなみにこの提灯、全部本物のろうそくが取り付けられており、組み上げ時に火が提灯に燃え移ってしまったらすぐに叩き落として消すようになっているのだとか。
ということで、これが戸畑祇園大山笠夜のすがた、提灯山笠です!
光のピラミッドとも称されるこの姿は全12段、提灯の数309個、総重量2.5tにもなるそう。
この姿で会場をぐるぐると走ります。
光るピラミッドが勢いよく進む光景、とっても印象的でした…!
それでは。