風っこの後継?
山形県の北山形~左沢間全24.3kmを結ぶ左沢線。
「左沢(あてらざわ)」という難読駅を終点とするこの路線は愛称に「フルーツライン」と付けられており、その名の通り果物の産地を通る路線です。
その中でもいちばん有名なのが寒河江のさくらんぼ。
毎年6月にシーズンを迎え、多くの観光客がさくらんぼ狩りにやってきます。
そのさくらんぼシーズンに合わせ、JR東日本では毎年、「びゅうコースター風っこ」を使った臨時列車「さくらんぼ風っこ」(山形~寒河江間)を運行してきました。
楽しいイベント列車に乗って、降りた先でさくらんぼ狩りを楽しむ…
ぜひ一度やってみたいと思っていました。
そんなさくらんぼ風っこですが、なんと2024年の運行が無く…
代わりに設定されたのが、同年4月にデビューしたばかりのHB-E300系ハイブリッド気動車「SATONO」を使用した「さくらんぼSATONO」。
運行区間が左沢線全線となる左沢まで延長されました。
新型車両(正確には違いますが…)に乗って行くさくらんぼ狩りを楽しもうと思い、えきねっとでセルフ10時打ちをやってみたら…
なんとグリーン車が取れてしまいました。
さくらんぼSATONOは人気が高く、連日すぐ満席になるほどの列車。それをうまく手に入れることができました…!
山形の朝
ということで、2024年6月16日、山形からスタートです。
まずは朝食から。
出発が遅いのでゆっくり過ごすことができました。
SATONO初乗車!
やってきたのはホテルメトロポリタン山形のすぐ近く、山形駅改札口。
すでにさくらんぼSATONOの表示が出ています。
SATONOの車体とさくらんぼ。ここにもLED職人さんがいるのでしょうか…?
ホームに降りてみると、すでにさくらんぼSATONOは停車していました。
こちらがHB-E300系、SATONO。
「あすなろ」から改造された車両で、2024年4月より南東北で活躍しています。
2両編成で、1号車は緑色、2号車は青色と別の色になっており、それぞれ山や田畑の実り、広い空と深い海をイメージしているそうです。
側面に大きく「SATONO」と書かれたロゴが入っています。
それでは、車内に入ってみます!
入口には山形をイメージした飾りが下げられていました。
まずは1号車。
こちらはグリーン車となっていて、1人用・2人用・4人用のボックスシートが並びます。
各シートは白い座席と青い仕切り、中央にある大きなテーブルで構成されていて、仕切りは高く、ちょっとした個室感も味わえます。
ゆりゆりしたいCPにはいいかも。
さらに、天井や壁には花笠や紅花といった山形らしい装飾が施されています。
これはこのさくらんぼSATONO限定なのだとか。
前方には展望スペース。
これは種車のあすなろ時代と変わりません。
ここも装飾が施されていて、
天童市の特産品将棋の駒や、さくらんぼ、
後ろにはチェリーランドさがえ限定のさくらんぼベアも座っていました。
かわいい…!
こちらは2号車指定席。
モケットが張り替えられていること、展望座席が撤去されていること以外はあすなろ時代とほとんど変わりません。
こっちにもさくらんぼベアいました…!
ホームでは乗客向けにさくらんぼの販売が行われています。
食べたいところですが、このあとさくらんぼ狩りに行くのでひとまずお預け。
車内に戻ると、車内販売の準備中。
カートに「アンケートに回答するとオリジナルグッズプレゼント」と書いてあったのでやってみたら…
特製のボールペンいただいちゃいました…!
そろそろ発車時刻です。
さくらんぼの木を見ながら
横断幕を持った駅員さん、親子連れ、鉄道ファンのみなさんに見送られ、山形を発車しました!
列車は、山形城跡を見ながら奥羽本線の仙山線用狭軌線を走ります。
数分で、列車は最初の停車駅、北山形に到着。
奥羽本線から大きくカーブした左沢線用ホームに停車します。
ちなみに当初は左沢線ホームしか無く、奥羽本線は停車しなかったそうです。
北山形を発車し、いよいよ左沢線に乗り入れます!
ここで車内販売が来たので、さくらんぼサイダーと、さくらんぼミルクケーキ、
SATONOのキーホルダーを購入!
ミルクケーキは練乳を板状にした、山形発祥のお菓子だそう。
無印良品でも販売されていて、私の好きなお菓子です。
続いて、左沢線統括センターの社員さんがやってきて、沿線の観光案内パンフレットと、
乗車記念ノベルティをいただきました…!
いい記念になりますね~
車窓からはいくつものビニールハウスが並んでいる姿を見ることができます。
これは全部さくらんぼのビニールハウス。
さくらんぼSATONOはその名の通り、さくらんぼの木を眺めながら走っていきます。
のどかな田園風景。
ここで車掌さんがやってきて、グリーン券に検札印を!
さくらんぼSATONO限定のものでした。
左沢線内最初の停車駅、羽前山辺に停車。
りんごの形をした独特の駅名標が見どころ。
他にも何か所か果物の形をした駅名標を持つ駅があるそうです。
せっかくなので一番前の展望スペースから前面展望を楽しみます!
遠くまで広がる平野を突き進む列車。
開放感があって気持ちいいですね~
羽前長崎に停車。
西のほうの長崎とは違ってのどかな無人駅です。
ちなみにお隣の駅も「羽前金沢」といって新幹線が停まりそうな名前をしています。
やがて、遠くの方に雪をかぶった山が見えてきました。
この山の名前は月山。
標高は1984m、出羽三山のひとつとして知られ、古くから信仰の対象とされてきました。
まだ、残雪が残っているのですね。
前面展望を楽しんでいると、大きなトラス式の橋梁が現れました。
こちらは最上川に架かる、最上川橋梁。
全8連のうち、山形側3連は1905年に架設された筑豊本線遠賀川橋梁を移設したもので、寒河江側5連は1886年に架設された東海道本線の初代木曽川橋梁を移設したものです。
歴史的にとっても貴重なもので、土木学会選奨土木遺産及び近代化産業遺産に指定されているそう。
私の故郷の近くからここまでやってきた橋。そう思うと感慨深いですね。
橋を渡ると月山がさらにきれいに見えるようになってきました。
月山を眺めつつ、手前にはさくらんぼ畑。
かなり大規模な畑ですね~
街なかに入ると、まもなく寒河江です。
左沢へ
さくらんぼSATONOは寒河江で10分停車。
寒河江の駅名標はさくらんぼの形。
さくらんぼで有名なこの駅、また後で来ますが、今は終点の左沢まで向かいます。
寒河江を発車しても田園風景が続きます。
風景こそ変わらないものの、実は寒河江を境に明確な輸送段差があり、寒河江より手前では少なくとも1時間に1本運行されていますが、寒河江以遠では3時間以上列車の運行がない時間帯があります。
列車はさくらんぼのビニールハウスを眺めつつ、左沢へと向かいます。
いくつかトンネルをぬけると車窓に最上川が現れました。
なんと目の前でUターンしています。
ここで列車は徐行。この眺めをゆっくり見ることができました。
最上川の眺望スポットからすぐ、終点の左沢に到着しました。
左沢線、完乗です。
1時間にも満たないさくらんぼSATONOの短い旅の終わり。
もっと乗っていたかった…
洋なしの駅名標でした。
折り返し山形行きとなりますが、左沢駅は1面1線のため列車を留置しておくことができません。
そのため一旦寒河江まで回送されることになります。
寒河江へと回送されるSATONOを見送りました。
続きます。
★乗車データ
9321D 快速 さくらんぼSATONO 左沢行き 山形(11:15)→左沢(12:02) HB-E300系 AH2編成「SATONO」
※2024年6月16日乗車
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※この記事は暫定版です