欠航率4割弱!?小呂島
のこ渡船場へ
2024年5月4日、やってきたのは天神北(フタタ前)バス停。
西鉄バス301番のこ渡船場行きに乗車します。
都市高速に入ると博多湾の姿が見えてきます。
今日は晴れ、しかも凪いでいるようで絶好の小呂島訪問日和ですね。
西公園ランプで都市高速を降り、よかトピア通りを西へ。
福岡タワーが見えました。
バスに乗っているとあまりにもいつも通りの風景で、これから福岡市の中でも到達難易度が高い場所に行くなんて思えないですね。
室見川を渡り、西区に入ったバスはマリナタウンへ。
愛宕浜営業所に停まっているバスが見えてくると間もなく終点ののこ渡船場です。
いよいよ小呂島へ…!
バス停のすぐそばに福岡市営渡船の姪浜旅客待合所があります。
中に入ってみてびっくり!
めっちゃ人いる…
いくら行きにくい小呂島とはいえ、GWともなると混雑するんですか…これ乗れるのかな…
さて、能古島航路は券売機で乗船券が買えるものの、小呂島航路は安易に購入できないよう、有人窓口でのみ発売になっています。
先達のブログ記事では、観光客とわかると「観光する場所なんてないよ?」とか「帰ってこれないかもしれないけど大丈夫?」とか係員に脅される(?)という話でしたが…
観光目的かどうか尋ねられ、そうだと答えると、「帰りの時刻はわかってます?」とだけ聞かれあっさり解放されました。
今日の海況がすごく良くて帰りが欠航する心配がないためか、あっさりとしたやり取りで拍子抜けしちゃいました。
そして小呂島行きの列に並ぶと…
ほんの数人しかいませんでした。
あの混雑は全部能古島へ向かう客だったようです。
いくらGWだといえ、やはり難易度が高い小呂島に行く人はかなり珍しいようです。
こちらが小呂島行きのチケット。片道1790円と市営渡船の中では一番の高額路線です。
往復購入すると4日間有効ですが、実質的に日帰り以外では使えないですね…
乗船する船はすでに停泊していました。
福岡市営渡船「ニューおろしま」。
全長28.7m、総トン数72トン、旅客定員60名。
志賀島航路の「きんいん1」とかと比べるとこじんまりしていますが、島の生命線となる重要な役割を担う船です。
出航10分前に乗船開始。
GW真っ只中ですが、船内はガラガラ。島民と釣り客が乗客のほとんどでした。
さあ、行ってきます!
定刻の9:00、出航しました。
まずは能古島を右手に見ながら博多湾内を進んでいきます。
うわっ!
突然大きなコンテナ船が現れました。
船は巨大要塞みたいなコンテナ船のすぐ近くを進んでいきます。
びっくりした…
さらに進むと博多湾の出口にある島、玄界島が見えてきました。
玄界島の先に浮かぶ柱島を過ぎると視界から陸地が消えました。
いよいよ玄界灘です。
玄界灘といえばとっても荒れることで有名な海。
小呂島航路に乗っていた人がTwitterで「小呂島航路は波照間航路に性質が似ている」と言っていました。
以前波照間航路に乗ったときは船体に波がドシンドシンぶつかり生きた心地がしませんでした…
まさか、その再現が…?
↑波照間航路に乗ったときの様子はこちらから
…あれ?
全然揺れない…?
博多湾内と比べると多少揺れてますが、それでも全然揺れてないほう。
これなら以前乗った太平洋フェリーのほうが揺れています。
すごい、玄界灘なのにすごく穏やか…!
北西へと航行を続けること1時間あまり。
まもなく小呂島到着です!
10:05、ニューおろしまは小呂島に到着しました。
福岡市の端っこ
降りてみてびっくり!
海底まで見通せるほど海が澄んでいます。
ということで、福岡市最北端かつ最西端、小呂島にやってきました。
福岡市で一番行きにくい場所をいま、制覇しました!
感無量です。
福岡市とは思えない風景ですが、港に止まっている軽自動車には「福岡市役所」の文字。
本当にここは福岡市なのですね…
旅客待合所にねこちゃんがやってきました。
この島にも多くの猫が生息するようです。
島めぐりスタート
さて、帰りの船まで3時間ちょっとなので島観光を始めます!
港から歩いていくと…
民家のすぐ軒先を通るような道が続いています。
本当にここ通っていいのかな…とか思いつつ…
階段に出くわしました。
この階段を登って島のメインストリートを目指します。
階段の途中には福岡市のマークが付いたマンホール。
登っていくとだんだん港が見下ろせるように。
見晴らしいいですね~!
ちょうど漁船が帰って来るところでした。
階段を登って島の主要道路に出てきました。
コンクリート舗装ですれ違いにも苦労しそうな道ですが、これが一番大きな道。
島を1周する道路はなく、南北につなぐこの道が(集落以外では)唯一の道となります。
この道の終点まで歩いていきましょう!
海を眺めながら歩いていると、遠くにはぼおっと霞んだ小さな島が見えます。
これは玄界島。
あんなに小さく見えるなんて、かなり遠くまで来たんですね…
降り注ぐ太陽光を浴び、今を盛りと生い茂る植物たち。
当然虫も多いわけで…
道を進んでいくと10mおきくらいに大きなアブが飛んでいるのに出くわしました。
歩きにくい…
何やら工場みたいな施設が現れました。
これは海水淡水化プラント。
水源が乏しい離島ならではの施設です。
ところどころで海を眺めながら歩いていきます。
!?
ショベルカーが自然に還ろうとしています…!
まるで文明が途絶えたかのような光景。
とっても印象的ですね…
ショベルカーのある場所から歩いてすぐ、道は小呂小中学校の中へと吸い込まれていきました。
この小呂小中学校がこの道の終点。ここから先へ続く道はありません。
ということで引き返します。
すぐそばに壱岐要塞の一部だった頃の弾薬庫や望楼跡へと続く道がありましたが…
あまりにも草が生い茂っているので行くのはやめておきます。
先達のブログ記事でも虫に苦労した様子が見えますし…
ということでもと来た道を帰ります。
途中、島で唯一の公園である小呂島公園があったので行ってみました。
……確かに遊具はあるのですが、全面的に雑草で覆われていますね…
190段の先にある神社
さて、続いては島の真ん中にある神社に行ってみます!
急な坂を登っていくと…
鳥居が現れました。
ここから先は石段を登っていきます。
これがかなり長い…
息を弾ませながら登っていくこと190段。
本殿が見えてきて…
到着!
ここが嶽宮神社です。
島で一番高い山の中腹にある神社で、毎年8月18日に三番叟という歌舞伎が奉納されているそうです。
中でお祈りしている方がいたので早々に戻ります。
戻るということはこの石段をまた降りるということで…
実は下りのほうが足に負担がかかるんですよね…
ということで、足にダメージを負いながらも降りてきました。
島猫との出会い
海を見ると、ちょうどジェットフォイルが滑走していきます。
時間帯からして、多客期限定の博多→厳原(対馬)直航便でしょうか。
歩いていくともうひとつの神社が現れました。
こちらは七社神社。
その入口に島の始まりが書かれています。
小呂島はもともと無人島で、人が定住するようになったのは江戸時代にいまの西区宮浦地区から5世帯を移住させた福岡藩の政策によるものだそう。
神社の近くには…
自販機!
島ではここと市営渡船の待合所の2箇所のみにあります。
そして、自販機の隣りが漁協の購買部。
島唯一の買い物ができる場所です。
せっかくなので寄ってみたいところですが、土日祝はお休みだそう。
その代わりにかわいいねこちゃんに出会っちゃいました!
付いてきてもえさは無いんですよ…
漁港に佇む猫。
穏やかな風景です。
猫はこんなところにも!
軒下の日陰で丸くなって眠っています。
かわいい…
お隣は長崎県
港に戻ってきました。
まだまだ時間はあるので今度は釣り客が多い防波堤の方に行ってみます。
歩いていくと現れた大きな「H」マーク。
ヘリポートです。
普段は市営渡船が唯一の交通手段ですが、急病人が出た際にはここからヘリで本土に搬送するようです。
ヘリポートを越えて防波堤のそばへ。
大きいですね…
ちなみにこの写真の右側はごみの焼却場所になっていてすごい臭いが立ち込めていました。
防波堤のうえに上がってきました。
玄界灘の荒波に耐えられるよう、大きなテトラポットがたくさん並べてあります。
こちらは港側。
海底まで見えるほど海が澄んでいます。
福岡市にこんなに海がきれいな場所があるなんて…
防波堤の上から目を凝らせば、遠くに浮かぶ島影。
長崎県の壱岐です。
ここから壱岐までは直線距離で25kmほど。
福岡市中心部より長崎県のほうが近いのです。
防波堤から降りて歩いていくと、軽自動車とすれ違いました。
…あれ?ナンバーがない!
どうやらこの島、「公道」がないようで、市役所の車以外でナンバープレートが付いている車は1台も見かけませんでした。
かなり違和感がある光景ですよね。
帰路へ
3時間はあっという間…かと思いきや案外島巡りがすぐに終わっちゃって時間を持て余してしまいましたが、帰る時間になりました。
帰りもニューおろしま!
港外に出て加速していく船。
帰路も海は穏やかでした。
やがて博多湾内に入り、右手に糸島半島が見えてきました。
マリノアシティのシンボル、スカイホイールが見えてくるとまもなく姪浜。
時刻通り到着しました。
のこ渡船場から301番で帰ります。
能古島航路の到着と同じになったのでバスは混んでいました。
この日は最後に博多どんたくを見に行ったのですが、静かな小呂島に対しどんたく広場のすごく混み合う光景の対比はとっても印象的でした。
ということで、福岡市で最も行きにくい地、小呂島の訪問記でした!
運良く波も穏やかで天気も良く、絶好の訪問日和となりました。
福岡市なのにのんびりとした時間が流れ、海は澄みきり、猫はかわいい…
魅力あふれる島でした。
欲をいえばもう少し訪問のハードルが下がってほしいところですが…
おまけ
小呂島ではお土産を買う場所がありませんが、姪浜旅客待合所で小呂島のお土産を販売しています。
それが「小呂島 漁師のしまごはん」。
小呂島で取れた天然ぶりだけを使用したソフトふりかけだそう。
食欲をそそりますね~
それでは。