白電の廃車回送
JR九州の415系には通称「白電」と呼ばれている白い車体の鋼製車(100・500番台)、ステンレス車(1500番台)の2つのタイプがあります。
このうち鋼製車は2022年9月23日ダイヤ改正で運用を終了し、その時点で在籍していた21編成84両は門司港・荒木・柳ヶ浦・津久見など九州各地に疎開留置されていました。
その後は使用されることはなく、Fk517編成を皮切りに順次小倉総合車両センターへの廃車回送が行われているようです。
今回はそんな415系の小倉総合車両センターへの廃車回送のうち、Fk517、Fo103に続く、Fo123編成の廃車回送を撮影してきましたのでご紹介します。
西小倉駅にて
2023年5月9日。やってきたのは西小倉駅です。
この日は柳ヶ浦駅留置線に疎開されていたFo123編成がツアーのイベントで公開された後、小倉総合車両センターまで廃車回送されることになっています。
しばらく待っていると…汽笛の音とともにDE10 1753に牽引されたFo123編成がやってきました。
駅自動放送では「通過」とされていましたが、停車しました。
さっそくFo123編成の姿を見ていきましょう。
乗務員室には「立入禁止」の貼り紙。
廃車を前提に疎開されている車両に貼り出されるものです。
もうここに運転士や車掌が入ることは無いと思うと寂しさを感じます。
反対側のホームに回って編成全体を。
415系の先頭にはここまで牽引してきたDE10の姿が。
留置からすでに7ヶ月以上が経過しており、自力回送ができない状態のため機関車牽引での回送となりました。
機関車との連結部。
415系の車体を見ると、あちこちに錆が流れ出しており、留置の間に車体が傷んでいることを感じさせられます。
それでは、ここからは1両ずつ車両を見ていきます。
こちらは門司港側の先頭車、クハ411-123。
お隣モハ415-123。
この車両もやはり錆が…
その隣のモハ414-123。パンタグラフのある車両です。
この車両、現存のモハ414では唯一方向幕が装備された車両だったようです。
お隣の車両のすぐそばに方向幕があるのがわかりますね。
最後はクハ411-223。鹿児島中央寄りの先頭車です。
この車両が一番状態が良さそうに見えました。
西小倉駅の駅名標と一緒に。
クハ411-223側から全体。
回送用の赤色反射板が取り付けられているのを除けば現役時とそれほど変わらないようにも見えます。
その横をちょうど博多行き特急ソニック28号が通過していきました。
それではそろそろ小倉総合車両センターへの最後の走行の時間がやってきました。
まずはクハ411-123に係員が乗り込みます。
係員は車内を通り抜け、クハ411-223の先頭へ。
すると程なくしてDE10の汽笛が鳴り、先ほどとは反対の方向へバックするように進みだしました。
このまま推進運転で小倉総合車両センターまで向かうようです。
小倉総合車両センターへと向かうFo123編成。
その姿が見えなくなるまで見送りました。
ということで415系Fo123編成の廃車回送を撮影しました。
2022年9月ダイヤ改正前は身近に走っていた車両がこうして廃車回送されていくのはやはり寂しさを感じますね…
今後も残り18編成が順次廃車回送されていくと思います。
また企画がなされるなら、今度は廃車前の見学ツアーにも参加してみたいですね。
[おまけ]最後の783系通勤編成
帰る途中、783系のいわゆる「通勤編成」としては稼働している最後の編成であるCM2編成が鹿児島本線を上っていくのに出くわしました。
(車内からの撮影なので映り込みがひどいですが…)
この編成、回9120Mとして門司港に向かったようです。
すでに定期運用はなく、今後どうなるのか…気になりますね。
それでは。