さよなら、かしいかえん | 風かおる 鉄の路

風かおる 鉄の路

主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

2021年12月30日……

福岡市東区にある遊園地「かしいかえん」はこの日をもって営業を終了します。

 

 

1956年に開業して以来、50年以上に渡って愛されてきましたが、2000年代になってから入園客数が減少。2009年にはシルバニアファミリーとコラボした新エリアをオープンさせたり、天神から直通の都市高速経由のバスを運行させたりとテコ入れ策を続けてきましたが……

止めを刺したのはCOVID-19。

西鉄の本体自体が赤字に陥り、ついにかしいかえんの経営を見直すこととなってしまいました。

 

かしいかえん、福岡市に住んでいる人なら、一度くらいは訪れたことがあるのではないでしょうか?

私も幼い頃、何度か訪れる機会があって楽しい時間を過ごした思い出があります。

 

そんな思い出の地がなくなってしまうなんて…

最後にお別れしておこうと、閉園前日の2021年12月29日、かしいかえんへと赴きました。

 

ということでやってきたかしいかえん。

ゲート前で記念撮影です。

 

LINEお友達特典で100円引きで入場できました。

 

園内は雨の日にもかかわらず混んでいました。

 

まずはこちら。大観覧車へ。

アイランドシティからもよく見える、香椎花園のシンボルです。

 

15分くらい並んで乗車。

 

段々と高度を上げていきます。

 

高くなっていくにつれ、園内が一望できるように。

 

頂上に近くなると遠くに博多湾も見えてきました。

 

見て分かる通り、かしいかえんの周辺は住宅地ばかり。

人口も増え続けているエリアです。

それでもかしいかえんを存続させることはできませんでした…

 

ちょうど頂上にさしかかったころ、眼下を西鉄貝塚線の列車が通過していきました。

観覧車から貝塚線を見ることができるのもあと少し…

 

降りていく途中、見えたのはジェットコースター「ペガサス」。

低温のため終日運休だそうです…

まだシルバニアガーデンができる前、このジェットコースターに乗ったことがあります。

そのときは他にだれもお客さんがおらず、係の方が特別に連続で乗せてくれた…なんて思い出があったりします。

 

再び降りてきました。

 

空中散歩を終えた後はシルバニアガーデンのほうへ行ってみます。

 

シルバニアガーデンは玩具「シルバニアファミリー」のテーマパーク。

2009年からシルバニア化していますが、訪れるのは初めてです。

 

 

お空のドライブというモノレールもどきは運休中…

 

 

園内はシルバニアファミリーのうさぎたちだらけ。

シルバニアファンにはたまらないでしょうね。

 

シルバニアガーデンの奥にあったのが「なかよしどうぶつランド」。

モルモット、うさぎ、ヤギの3種類の動物がいますが、今日いたのはヤギだけでした。

 

かしいかえん閉園後は太宰府市の「だざいふえん」に移動するようです。

 

 

シルバニアガーデンの中に戻ってきて次に入るのは「あかりの灯る大きなお家」。

同名の玩具がよくCMされていたのを思い出します(笑)

8組ずつ10分交代での入場だったため、少々並んでから中へ…

 

中は広々としています。

 

美味しそう(笑)

 

キッチンの流しから排水音が流れていました。

いくつかの家具からは音が出るようになっているのです。

 

2階へ。

 

 

本当に誰か寝ていたかのような2段ベッド。

 

こちらは浴室…なのですが、このトイレの配置、落ち着かないですね(笑)

 

10分間はあっという間。

おもちゃのほうのあかりの灯る大きなお家と似ているかはわかりませんでしたが、おもちゃの中に入ったかのようでなかなかおもしろい施設でした。

 

電車ごっこをする後ろを通過する貝塚線。

 

続いては「ぶんぶんコースタービートくん」へ。

雨が降っていたため朝は閉まっていましたが、午後になって運行再開。

「ペガサス」が終日運休ということもあって長蛇の列ができていました。

 

私も並んでみましたが…係員の方から恐ろしい言葉が。

雨が降ってきた場合、ブレーキが効かなくなるためその時点で運行中止

空は相変わらずどんよりしていていつ雨が降り出してもおかしくない天気…

待ってても乗れるかわからない…

それでもじっと待っていました。

 

しかし……

ついにぽつりぽつりと雨が…

コースターのブレーキの効きは明らかに悪くなっているようで50cmほどのオーバーランが起こるようになっていました…

 

果たして無事乗れるのか?

 

 

 

 

 

 

乗れました…!

 

園内マスコットキャラクターの「ビートくん」がデザインされたコースター。

 

子供向けで高低差はあまりなく、物足りないかな?と思っていましたが、

急カーブを駆け抜けるスリルはかなりのものでした。

 

その15分後。再びコースターは運休となりました。

私の運休回避伝説に新たな1ページが刻み込まれました(笑)

 


その後これに乗って…

 

今日の最大の目的、「西鉄電車ひろば」に。

ここには西鉄北九州線で使われていた600形621号、323形324号(北方線用)が展示されています。

 

ヘッドライトが点灯しています。

 

まずは600形から。

 

車内はNゲージレイアウトが設置されています。

 

 

 

走っているのは西鉄貝塚線313形。

引退時に見に行きましたね…

 

それ以外はもとのままが保たれていて、運賃表示器もそのままです。

 

井筒屋のつり革もそのまま。

 

花電車なんていつの時代でしょうか…

 

 

運転台に入ってみます。

 

びっくりしたのが、ブレーキハンドルを操作したときエア抜け音がしたこと。

実は空気ブレーキ系統のうち制輪子以外の部分を復元してあるのだとか。

現役車両さながらの音が聞こえてきました…

 

続いてはお隣324号へ。

こちらはバス形軽量車体の手法を用いて設計され、北方線に合わせたたまご型の車体、馬面電車とも呼ばれる前面を絞り込んだ形が特徴です。

 

こちらが車内。

 

引退後は土佐電気鉄道に譲渡されたことから、とさでんの路線図が掲げられています。

 

 

 

こちらは北方線廃止のお知らせ。

北方線は北九州モノレール建設と引き換えに廃止されました。

そんな歴史を物語る貴重な資料を見ることができました。

 

こちらも運転台に入れます。

しかし狭いですね…ここで運転するのは大変そうです。

 

そんな2両の路面電車ですが、見られるのは閉園日が最後。

かしいかえん閉園後はこの2両の車両を新たな移設先へ移すことを検討しているそうで、解体という悲劇はとりあえず避けられそうですが、今後も気軽に見られるかは未知数です。

 

 

路面電車を見た後は園内鉄道へ。「森の鉄道」と名前がついています。

 

 

出発です!

 

先ほどの路面電車の横を通過…

 

ペガサスの下を終始通り抜けていくルートでした。

 

そろそろ帰ろうかな…と思ったら思わぬ出会いが。

オリジナルキャラクターのエルフの姉妹、ミルフィーとシルフィーというキャラクターで、土日を中心にこうしてグリーティングをおこなっているのだとか…

インスタはこちら

 

ということで閉園前のかしいかえんを巡ってみました。

前に行ったのがシルバニアガーデンになる前ということでいろいろ変わったところもありましたが、昔の思い出を振り返れるところもあって懐かしさを感じました。

そんな思い出の場所もまもなく姿を消します。

とても寂しいですが、時代の流れで仕方ないのかな…と思うしかないですね。

 

跡地の活用の方法は決まっていないそうです。

どのように変わっていくかはわかりませんがここにかしいかえんがあったことはいつまでも記憶していきたいと思います。

 

それでは。

 

 

かしいかえん公式HP(アーカイブ)

 

 

閉園特設ページ(アーカイブ)

 

 

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