せり出した山並みが海に落ち込み
夜には川に霧がかかる
北のちいさな町に生まれた
女の子


君が生まれたのは
とても大きな入道雲の浮かぶ日
父は
顔いっぱいに汗をかいて駆けつけた


若い夫婦は
ほほえましいくらい平凡な
幸せな将来を祈った名前をつけた


海原の神々は
魚とたわむれ
潮風は木立を大きく揺らしていた
ある夏の日



ほしがきのブログ



移ろう時間は
真っ黒だった女の子を
色白の女にかえる


波の向こうに暮らす
もう一人の自分
甘美な思いが
夜に漂い出す
夢見る風が 
船出の帆を揺らす

海の底で
神々がひっそり耳を澄ます


ある晴れた朝
君の未来を
海鳥が高みの空で
声を交わしあっていた

もうすぐ彼女は出てゆくんだと


凪いだ日は
本州が望める
霞むような
小さな町