無力とは
こういうことなのか
あまりの痛みように
「病院には
家でできない痛み止めの機械もあるはずだから」
だますように
すがるように
話しかけます
「救急車でなければ国立大学病院機構で受付してくれないから救急車呼ぶよ
いいね」
病院に着いて
彼女は私の耳を引きます
何か話しますが
言葉が
もう
言葉がわからないのです
そばのお看護師さんに
「今なんて言ってますか」
「わかりません」
耳を引っ張る力しか伝わらないんです
そして
検査というものが終わり
お医者さんから何かを言われ
何かをサインし
「個室へ」と言われ
「兄ちゃんが名古屋からあと少しで来るから頑張れ」
ずうっと
みんなで声をかけ
手を握り、足をさすりつづけます
せめて最後には子供たちみんなで見送りたい
時々持ちなおす心電図が
ずうっと平らになって
だけど
足はまだ温かみがある
だいぶたって
お医者さんが来て死亡の確認のようなことを言われたような気がします
。
もうすぐ1年たつかもしれません
入院前に洗って畳んだ洗濯物がソファーにあがったまま
ハンガーにかかったまま
体が動かないんです。
