side柳生
何故、こんなことになってしまったのでしょう。
幸村くんに「柳生にしかできないことなんだ」など言われれば、断ることは出来ません。
しかし、これは断るべきでした。嘆いても後の祭りですが…。
こんな服装で、2時間も逃亡する自信がありません。
ですが、捕まれば大変な目に遭いますし。
「…どうしましょう」
座って丸めていた体をもっと縮める。そうすると、嫌でも自分の心臓の音が聞こえる。
無事逃げ切れるか、それとも見つかるか。希望と不安が入り混じって、体の底からキュンとします。
もう、何分経ったのでしょうか。チック、タックと時計の秒針が音を刻む。
「!!」
秒針の音とは別に新たな音が聞こえます。カツ、カツと人が歩いている音が。
今日は幸村くんに呼ばれたレギュラーしか居ないはず。
もう誰か来たんでしょうか。丸井くんやジャッカルくん、切原くんなら安心です。
しかし、このまま通り過ぎて下さることが一番です。ですが、そうはいかないかもしれません。
ここは調理室です。特別教室は隠れ易い。そんなところを見落とすとは考え難い。
そんなことを考えていると、足音はちょうどこの教室のドアの前で止まった。
私は口に手を当てて息を殺します。そして、ドアが開くのを待ちます。
神経をドアの方に集中させていると、ガラッと開く音が聞こえる。
私は早く立ち去ることを祈るばかりでした-
何故、こんなことになってしまったのでしょう。
幸村くんに「柳生にしかできないことなんだ」など言われれば、断ることは出来ません。
しかし、これは断るべきでした。嘆いても後の祭りですが…。
こんな服装で、2時間も逃亡する自信がありません。
ですが、捕まれば大変な目に遭いますし。
「…どうしましょう」
座って丸めていた体をもっと縮める。そうすると、嫌でも自分の心臓の音が聞こえる。
無事逃げ切れるか、それとも見つかるか。希望と不安が入り混じって、体の底からキュンとします。
もう、何分経ったのでしょうか。チック、タックと時計の秒針が音を刻む。
「!!」
秒針の音とは別に新たな音が聞こえます。カツ、カツと人が歩いている音が。
今日は幸村くんに呼ばれたレギュラーしか居ないはず。
もう誰か来たんでしょうか。丸井くんやジャッカルくん、切原くんなら安心です。
しかし、このまま通り過ぎて下さることが一番です。ですが、そうはいかないかもしれません。
ここは調理室です。特別教室は隠れ易い。そんなところを見落とすとは考え難い。
そんなことを考えていると、足音はちょうどこの教室のドアの前で止まった。
私は口に手を当てて息を殺します。そして、ドアが開くのを待ちます。
神経をドアの方に集中させていると、ガラッと開く音が聞こえる。
私は早く立ち去ることを祈るばかりでした-