※御法主日如猊下御指南

・依正不二(えしょうふに)の大原則

「頼基(よりもと)陳状」には、

 

「悪法、世に広まりて、人、悪道に堕ち、国土滅すべしと見え候」(御書1192」

と仰せであります。

 

すなわち、「悪法」を信ずれば、まず「人心」が乱れます。

その「人」の「心」が乱れれば、「国土世間」(世の中)にまで大きな影響を及ぼすことになるのであります。

 

この仏法の原理が解らなければ、「真の解決」を図ることはできません。

 

大聖人様は、「瑞相御書」に、

「人の悦(よろこ)び多々なれば、天に吉瑞(きちずい)をあらわし、地に帝釈天(たいしゃく)の動きあり。

 

人の悪心盛んなれば、天に凶変、地に凶妖(きょうよう)出来(しゅったい)す。」(同920)

と仰せであります。

 

この「依正不二」の原理は、凡夫の智慧をもっては到底、計り知ることのできないものであり、「三世十方」すなわち、

 

無限の時間と空間を通覧せられて、宇宙法界の真理を悟られた仏様が明かされた知見であります。

 

したがって、この「依正不二(えしょうふに)」の大原則を無視して、今日の如き混迷を極めている惨状を救い、「真の解決」を図ることはできないのであります。


 

すなわち、「立正安国論」の聖意に照らすならば、「正法」たる我ら衆生が一切の謗法(ほうぼう)を捨てて、

 

実乗の一善たる三大秘法の随一、「本門の本尊」に帰依(きえ)せば、その不可思議広大無辺たる「妙法(みょうほう)」の力用(りきゆう)によって、

 

我ら衆生一人ひとりの「生命」が浄化されます。

 


それが、「個」から「全体」へ、「衆生世間」に及び、社会を浄化し、やがて「依報」たる「国土世間」をも変革し仏国土と化していくのであります。