※信仰のさんぽ道より抜粋


池川明という産婦人科医が書いた「子供は親を選んで生まれてくる」によると、
池川氏は、3601組の親子にアンケートを実施したところ「三人に一人」の子供が体内記憶や誕生記憶があるという。
「なぜ生まれてきたのか」という問いかけに、

「お母さんが優しそうだったから」
「世界中を探してママが一番よかった」
「ママに可愛がられるために生まれてきた」

「お母さん大好き、っていうために生まれてきた」
「お母さんの子供になるのを待っていた」

と言い、また胎内にいる時には、
「へその緒に足を乗せて遊んでいた」
「ママが悲しい時は僕も悲しみ、苦いものを飲めば僕も苦かった」
などと答えたと言う。


この話を知人にしてみたところ

「そういえばうちの娘が三歳の頃、お母さんのおなかの中は暗くて、お父さんとお母さんの声が聞こえたよ。と言ってた事がある」と教えてくれた。


法事などで「中有ちゅうう」という言葉を耳にしたことがある人も多いと思うが、
お経には中有から母の胎内に入る様子、


つまり「死」→「中有」→「生」の様子が示されていて、その中有から出産に至るまでを書かれているものがある。


例を挙げると、遠く離れていても、子供は父と母による性の営みを見て「この人たちの子供になりたい」と願った時に、
両親の子供になる因縁が結ばれる。


その後、不思議なことに、「お父さんが好き」と思えば女に、「お母さんが好き」と思えば男になるとお経に説かれている。


また、着床後、胎児に目や口の器官の形ができ、へそから栄養をとりながら二百七十の節(ふし)ができ、それから順に肉体が整って出産にいたる次第が挙げられている。


それだけでなく、その子供の前世における善悪の業因(ごういん)が、この世における心身の良し悪しや美醜(びしゅう)に現れるとも説かれている。


以上のようにお経には子供が親を選び、自らの意思で母の胎内に入り五体が形成されて、この世に生まれる過程を今の医学以上に、詳細に説明されている。


今ここに書いた一端でも知ろうと思うなら、「十二因縁」や「三世両重さんぜりょうじゅう」という言葉を検索してみるのもよい。


日蓮大聖人は
「父や母となり、その子供となるのも、すべて宿習(しゅくじゅう)といって過去の因縁による」


「自分の体は天から降ったものでも大地から出たものでもなく、両親の血肉を分けたものだ。


だから自分の体を傷つけるということは、両親の体を傷つけることと同じだという道理を覚えておきなさい」
と仰せになっている。