※慧妙掲載記事

2019年、九月二十日早朝、第六十七世日顕上人が安祥(あんじょう)として御遷化(せんげ)あそばされた。

創価学会は、学会を破門に処した日顕上人に対し、さまざまな誹謗、中傷を行ってきた。

 

その誹謗、中傷は、平和と文化を標榜(ひょうぼう)する者がすることか、と思うほど苛烈(かれつ)なものであった。


日顕上人の御心労は深く、大変な日々であったことは、宗門の者ならば誰しも拝し奉っていたことと思う。

 

日顕上人が創価学会の謗法から大聖人の仏法を護り、創価学会を破門に処された平成三年(1991年)から、三十年以上が経過した。


実に四半世紀以上がたったのである。

この歳月は、人々の記憶を薄れさせ、関心を無くすのに十分すぎるほどの時間である。

 

そこで問題の起こった「平成二年」から「破門」までの出来事を、概括(がいかつ)的にまとめてみる。

 

・平成二年七月十七日、七月度連絡会議において学会側が高圧的な態度にでる。

八月度連絡会議では、学会側は、御法主上人に「法主の発言封じは驕慢(きょうまん)だ、謗法だ。


懲罰(ちょうばつ)にかける」という発言があったとしてざんげを並べる。


これより宗門・御法主上人・末寺への誹謗中傷がエスカレートする。

 

・十一月十六日、第三十五回本部会部会における、通称「一一・一六」と呼ばれる池田スピーチ。


これは池田が、これまでの憤懣(ふんまん)を爆発させたもので五十二年の教義逸脱路線の無反省を露呈(ろてい)し、

さらに宗門・御法主上人・御僧侶を露骨に蔑視(べっし)・軽視する内容であった。

 

・十二月十三日、十二月度連絡会議の席上で、宗門は「一一・一六」スピーチの真意を問うべく「お尋ね」文書を学会側に提示するが、

学会側は「出所不明のテープを元にした文章は受け取れない」と、受け取りを拒否。

 

・十二月十六日、学会へ「お尋ね」文章を送付する。

 

・十二月二十四日、学会は、宗門からの「お尋ね」を無視し、十二月二十三日付け「お伺い」なる九項目にわたる宗門批判文書送達。


・十二月二十六日、学会へ、「お尋ね」に対する誠意ある回答なしとの通知文書を発送。

 

・十二月二十七日、第百三十臨時宗会で宗規の一部改正。これにともない総講頭とすべての大講頭資格喪失。


これにより、池田大作をはじめ、学会側・法華講側の大講頭十四名のすべてが資格を喪失した。

 

再任の可能性は十分に残っていたが、池田はみずからそれを放棄することになる。

 

・十二月二十八日、総講頭・大講頭十四名へ、資格喪失の通知を発送。


・十二月二十九日、創価学会会員より全国寺院に嫌がらせ、脅迫電話殺到。

大石寺にはこの一日だけで八百回以上の入電。

 

・平成三年に入り、創価学会が全精力を傾注(けいちゅう)した宗門総攻撃の幕開けとなる。


・一月二日、池田名誉会長、恒例の新年初登山に参詣せず。

 

・一月四日、「聖教新聞」紙上で宗門批判キャンペーンが開始される。


・二月十五日、福岡県教説寺住職が創価学会員より暴行を受ける。

 

・二月二十六日、創価学会は独自の同志葬を開始。


・四月二日、登山方式の改正(添書登山)に関する協議が行われ、学会側も、開始時期は別として改正を承諾。

 

・四月六日、総本山御霊宝虫払大法会を創価学会員が妨害。


・四月十三日、創価学会青年部三百人が、福岡市開信寺の御講の途中で集団暴行事件を起こす。


これにより同寺支部の講頭が全治二ヶ月の重傷。住職ほか信徒も多数負傷した。

 

・四月二十五日、宗門、全国末寺へ創価学会員による布教妨害・暴行の対応方法を緊急通知。

 

・五月二日、学会首脳が登山するも、添書登山についての協議申し入れはなし。


ところが学会は、宗門が協議続行を全面拒否したかの文書を会内に配布。

 

以後、学会は、宗門からの協議の呼びかけには一切応じず。

 

・八月十三日、学会、盂蘭盆会法要を各地の会館で行う。


・九月十九日、秋谷会長、第四十六回本部幹部会で、「宗門は天魔と化して、信者ドロボウに狂奔(きょうほん)」と発言。


・九月二十三日、学会、彼岸会法要を各地の会館で行う。

 

・十月二十日頃から日顕証人退座要求署名運動を開始。


・十一月七日、「聖教新聞」紙上に「宗門は正宗教義破壊の日顕宗」と掲載。


同日、学会、七五三祝を各地の会館で行う。

そして、いよいよ創価学会に対し、十一月七日に解散勧告、同月二十八日に破門通告がなされる。

 

以上を概観してみると、創価学会問題の発端となった「一一・一六」のスピーチは、

平成二年の十月に大石寺開創七百年慶讃大法要が奉修された、その翌月である。

 

そして、平成三年の年頭から、宗門批判キャンペーンが開始され、情報操作で会員を扇動(せんどう)し組織固めに入った。

 

破門処分となって以後は、嫌がらせ訴訟や日顕上人をターゲットにしたスキャンダル捏造(ねつぞう)や偽造写真事件など、

たがが外れたように、濁流のごとき憎悪が宗門を襲い、誹謗中傷・謀略が激化していく。

 

また謗法もエスカレートしていき、「血脈否定」、「ニセ本尊作成」、「創価学会会則の改悪」、

「観念文の改変」、「五座三座の勤行の廃止」など、謗法行為を繰り返した挙句、


ついには「大御本尊の否定」までに至る。

 

以上を振り返って、宗門乗っ取りを企む池田創価学会の魔の手から、大聖人の仏法を護り、

我々僧俗を救ってくださった日顕上人の御英断は、日蓮正宗の歴史に刻まれ燦然(さんぜん)と輝き続けることは間違いない。