硝子蝶の薄片羽を持つ刹那な君
世の中の重荷と柵を捨て去り
身軽な身体に駆け走り浮かれ飛び落ちる
ほら、身軽な身体はまるで
落ち葉の様に風に舞いヒラヒラと
根がはる大地、コオロギの背中に落ちるよ
ああ、自らの背負うべき重荷も
大切な気持ちも、何もかもか捨て去ってしまったんだ
なのに、どうしてこんなにも飛び立てないの?
希望なんて掴まなくて良い
蝕まれる両腕をヒラリと空に伸ばす
誰か掴まないと知りつつも
茜空を見上げるまん丸な片目
重荷から解き放たれる片羽
辛さから目をそらす為の片目
こんなにも、何も無い私には
誰かが、君が、アナタが、道を
ただ、訪ねてはくれないのね?
這いずり回る欲望を拾い集めたい
だけれども、増えていく重荷背負う
こんな身体では、身動きがとれないの
片羽すら毟り取ってしまいたい
地蟲に食らわれて身軽になれるかしら?
見つめる瞳すら何も無いのなら
誰か代わりに、この朽ち果て損ねた体を引きずって
たどり着かぬ思いへと送り届けておくれ...
༺ནཎ༒Fuga༒ནཎ༻