今年7月、相模原市の神奈川県立障害者福祉施設に元職員の男が侵入し、障害を持つ人たちを暴行し、死傷者45人、うち19人が死亡するという戦後最悪の事件が発生しました。
公共施設で起きた事件を教訓に、そしてDV、児童虐待、ストーカー等、おおよそ標的となり得る可能性がある区民を守りたい。その思いから本来は警察の所管である凶悪犯罪への対策について、区の姿勢についてお尋ねしました。
(以下、質問原稿の引用です)
「障害者が暮らす施設に人を殺める目的で侵入」したと供述する容疑者は、犯行に及ぶ以前に、障害者を貶める発言を自ら動画サイトで公表し、手紙にも記していました。これから行う犯罪に対する標的が明確であり、犯罪を行う決意も覚悟も丸見えになっているという点が特徴的でしたが、まったく打つ手がなく、犯罪に対して無力であったという事実が無念で仕方ありません。このケースだけでなく、児童虐待、DV、ストーカー犯罪等、およそ犯罪行為に及ぶことが予測できたにも関わらず、関係機関との連携や情報共有を始め、もう一歩踏み込んだより積極的な手立てが取れずに犯行が行われ、取り返しのつかない事態に陥ることは、正視に堪えません。そして、このような犯罪が本区で起こり得る可能性がゼロではないからには、どのように対峙するべきなのかを議論しておく必要があるのではないでしょうか。
お伺いします。
ある特定の施設、団体、個人が襲われることが、それまでの経緯や情報からおよそ予測され、児童虐待、DV、ストーカー、そして先の事件のようなケースに巻き込まれる可能性がある区民に対し、本区はどのような対応を取ることができるのかをお聞かせください。すでに防犯カメラの設置や、防犯意識の向上、警察・消防との連携等の対策はとられえおり、テロや武力行使に対しては、「国民保護計画」において、本区の取るべき対応が詳細に記されていますが、特に関係機関との強い連携や情報共有、そしてもう一歩踏み込んだ手立てという観点からのご答弁をお願いいたします。
さらに、区民館、総合スポーツセンタ―をはじめとしたスポーツ施設やグラウンド、社会教育会館、女性センター、環境情報センター、協働ステーション等、区の施設において、凶悪犯罪に対し、防犯カメラの設置や警備員の配置の他に、どのような強化策がとれるのでしょうか。具体的にお聞きします。
さらにお伺いします。
防犯カメラは、犯罪抑止力と証拠能力としての一定の効果があると思います。しかしながら神奈川県立障害者施設の事件に象徴されるように、犯罪の前後において、堂々と姿が映ることを厭わない容疑者が存在します。この事実を考えるとき、犯罪抑止力として機能しない蓋然性があるということを考慮しなければなりません。私たちが今できる手段としては、やはり地域のコミュニティの力をもって防犯につなげることが重要です。町会、自治会のネットワークを「防犯」という観点から今後、どのように生かし、活動を強化していくのか、具体的にお聞かせください。
(次回に続く)