「虐待とか言われたんでですね。
お父さんとお母さんに。」






父と母が悪い、とでも言いたげな
モラ夫。






「言ったよ、言葉の暴力を超えてる
と思うよ。






そこまでしてしまったのか、という
思いじゃなくて、





反発を覚えるくらいだったら、
もうなかなか難しいと思うよ。」





開き直りの態度が声からわかる
モラ夫に、父が言いました。





「それがないと、もう会うことも
できない?





ふふむは、思い出さないと会わないと
言ってるんですか?」





とのモラ夫の問いに、父が答えます。





「それは、私たち親が、そう思う。





言ったことを思い出さないのに、
謝りようさえないじゃない」





「いや、その言っちゃいけない
ことを言ったということに対して
謝りたいですけど。





中身に関してはまたそのあと謝る
って、思ってるんですけど、





その言ったことがほんとに確信が
ないので」





尚も屁理屈をこねまくるモラ夫。





「確信がなくてもいいよ。





いっぱい思い当たるんなら、
言ってみればいいじゃない。」





父の言葉に、モラ夫は反発します。





「今全部言ったつもりだったん
ですけど。





他にもあるんですね?」






話が一向に進まないモラ夫。






「それはまた、考えてみて。ね?」





父は、電話を切りました。





結局、この日、






モラ夫が、私の実家に来ることは、
ありませんでした。





そもそも、アポ取りの電話だった
はずです。




はたまた、来るという、嘘だったのか。





モラ夫の思考は、よくわかりませんね。





お読みいただき、ありがとう
ございました。