モラ夫は、暴言について
自分で考えるそぶりはなく、
私の両親から、なんとか
聞き出そうと質問攻めをする
のみで、
結局、謝罪の気持ちも見え
なければ、
もちろん、謝罪の言葉も、
ありませんでした。
どうしてこんなにも、話の
趣旨が伝わらないのだろうか。
相手は、幼児なのか。
いや、それとも、異邦人・・・?
はたまた、遥か遠くの星から来た、
異星人なのか。
そのくらい、話が伝わらないのです。
しかし、話しているのは、日本語。
伝わっているように感じるけれど、
決して伝わっていなくて。
だから、もどかしくて仕方がない。
お互いに日本語を話している
はずなのに、話し合いは平行線。
交わることが、ありません。
「足が痺れただろう。
少し崩していったら良い。
運転が危ないから。」
父の雰囲気に、付け入る隙を
見つけたのか、モラ夫は、
「ほんとに、申し訳なかったと
思ってるんですけど。」
『ですけど』
謝罪の言葉かと思いきや、
ここで逆説。
つまり、本心ではないのでしょう。
どうしても、素直に謝る事は
できないようでした。
「ここに来て、事の重大さに
気づいたみたいになってて、
ほんとに、一緒にもっと楽しく
って思ってるのに、
いつもそうなってしまうから」
また話が長くなりそうなところで、
父が、
「うん、今日は帰って。
お互い、生活があるから。
今日はここで区切ろう」
と話を終わらせました。
居間を出て、
玄関に行った、父とモラ夫。
父が、
「今日だけじゃあ時間が足りない。
このまま続けても、
日をまたいでしまうから」
と言うと、モラ夫は、
「なんとか、思い出しますから」
とやけに素直でした。
続きます。
歩いていたときに、
風に乗って聞こえてきた、
のびやかで、雅な音色。
尺八、だろうか。
心地よくて、立ち止まり、
空に向かって、目を閉じる。
太陽の光が、瞼を透かしてくる。
あたたかくて、まぶしい。
頬をなでる、爽やかな風。
耳に届く、和の音楽。
そして、音楽に合わせるように
風に踊る、葉っぱたちの音。
どうして音楽や自然は、
こんなにも心を震わす
のだろうか。
風がヒュウっと通り抜け、
立ち止まっていた私は、
春風の後を追うように、
また歩き出す。
少し前には、探し求めていた、
幸せ。
こういうふとしたところに、
幸せは落ちていたのだ、
と思う今日この頃です。
お読みいただき、ありがとう
ございました。