「どうにかして、
それを自分たちにデメリットに
ならないようにやろうって言って、
賃貸に出そうってのも、
当然してますよ!
今は、自分たちが入って出たので、
賃貸に出してる途中だから、
赤字というか、自分でローンを
払っている状態。」
賃貸に住むことが決まってから、
モラ夫は所有している中古物件を
賃貸に出しました。
私は、モラ夫と住んだ地域の、
戸建て物件の賃貸の相場を
知りません。
モラ夫所有の物件は、
築40〜50年ほどで、
駅からも遠く、
それほど魅力的な物件では、
ありませんでした。
正直、私が入居者側だとしたら、
選ばない物件です。
でも、お金がほしいモラ夫は、
賃料を高めに設定して出して
いました。
あの家で、あの家賃。
入居者があらわれなかったのは、
納得でしかありません。
モラ夫の言葉に、父が言います。
「もっと言えば、買ったこと
自体がおかしい」
モラ夫は、こう言われることを
待っていたかのように、
ペラペラと話し始めます。
「隣の家って、安く売って
くれるんですよね、
たまたまそういう話が、
知り合いの方から急にきたから」
ずっと、私の親に言い訳を
したかったのかもしれません。
知り合いからの話があったから
買ったなんて、初耳でした。
もはや、モラ夫の話が、
全て嘘に思えてきます。
この男は、オオカミ少年ならぬ、
オオカミ青年。
少年ならば、まだ救いようがあった
かもしれないけれど、
拗らせて大人になってしまった、
可哀想な人。
弱い自分を、ただひたすらに、
嘘の鎧で守っている。
これほど当然に嘘をつくところ
を見てしまった私は、
もう、モラ夫を信用することが
できなくなりました。
続きます。
お読みいただき、ありがとう
ございました。