サン・フェルミン記、最後は闘牛。
闘牛を知らない人には読んでほしいけど、かなり残酷な描写、写真、過激な発言があるので、苦手な方はご注意下さい。
スペインに来るまで、闘牛って赤い布をヒラヒラさせて牛をかわすショーだと思ってた。
本物の闘牛は牛を殺すと知ってからは、文化を否定はしないけれど、私はそこに観客として関わりたくないと思った。
けど前回パンプローナに行った際、闘牛場で闘牛士の美学を知り(闘牛が行われていない間はミュージアムとして開放されている)、批判にさらされながらも現代まで続いているスペインの文化を、一度は見てみようか、という気になった。
他にも普段食べているお肉の事とか、食物連鎖とは・・とか
柄にもなくごちゃごちゃ考えながら
いざ、闘牛場へ。
満席の会場。
カタルーニャの独立旗を広げている団体がいて、
”祭りに政治を持ち込むなー
”と会場中からブーイング。
確かに。しかもここ、ナバラ州ですがな
上の写真の旗はバスク独立のだけど、これにもブーイングがおこってた。
出演者の登場。
かなり上の席だったけど、そこまで大きい会場じゃないので
双眼鏡なしで十分良く見える。
電光掲示板に、牛の名前、種類、重さ、そして闘牛士の名前などが表示される。
牛が登場し、まずは助手がCapoteという表がピンク、裏が黄色の襟付きマントをヒラヒラさせて牛を誘導。
(wikiより拝借)
この時の動きを見て、マタドール(闘牛士)は牛の状態や性格をチェックするそう。ヒラヒラさせるのは赤じゃなくピンクなのね![]()
そもそも牛は色を識別出来ないので、重要なのは色じゃなくマントの動きなんだそう。
助手は牛が向かってくると、速攻でこの板の後ろに隠れる。
そして、馬に乗り槍をもった『Picador』が登場。
この馬、目隠しされて胴体は防具でがっしり・・・
助手が牛をおびき寄せ、向かってきた牛をPicadorが槍でグサーッ!!グリグリ!!!と刺す。。。
(Wikiより拝借)
牛からは血がダラダラ流れ出す。
これを二回。
この後、飾りのついた銛を持った『Banderillero』が3人登場。
(Wikiより拝借)
向かってきた牛とすれ違いざま銛を打ち込み、牛をかわす。
これを3回、計6つの銛が牛に打ち込まれる。
牛はこんな状態。。。
ここでようやくマタドール登場。
マタドールは”殺す人”の意味。闘牛士の花形。
約15分、Muletaという赤い布で牛と戦う・・・
戦うっていうけど、息も絶え絶えな牛を布で誘ってはかわし、の繰り返し。技があるのか、観客は声を出し、拍手をする。
その後、”真実の瞬間”と呼ばれる殺しの場面へ。
牛とすれ違いざま、長い剣を深く差し込む。
いかに優雅な美しい死を与えられるか、
がポイントらしい。
一人失敗して、何度も刺していたら会場から大ブーイングだった。
一人はとどめの瞬間に牛の角が足に刺さり、血みどろになりつつも牛を最後まで見届けて、拍手喝采を受けていた。
長い剣を身体に深く刺されても、牛はすぐには死なない。
隅に誘導され、助手達がマントをヒラヒラして、牛を追い込む。
遂に限界が来て牛の膝が折れると、拍手喝采。でもまだ絶命してない牛を、闘牛士達が寄ってたかってとどめをさす。(多分短剣などを刺していた)
そして、牛の耳を切り落とし、マタドールに献上。
これ、マタドールの活躍によって片耳だったり、両耳ったり、尾だったりするそう。昔は足もあったそうだけど、現在は尾が最上級らしい。
そして最後、馬が登場し、牛を括り付けて引きずって退場。
これを6回。
6頭殺す。
もう、あまりのむごさに唖然。
闘牛士達は牛に敬意を持っているとか、牛は神聖な生き物とか、いや、よくいうよ。
どう見たって、牛の習性を利用し、人間様に危害が及ばないよう考え抜かれたルールで、大勢で嬲り殺すショー、以外の何物にも見えなかった。
お客さんは子供からお年寄りまで様々。
酔っぱらってる輩も多く、”早く殺せー!!”など酷いヤジが飛び交う。
牛が元気なのはほんの始めだけで、
徐々に力を奪っていき、マタドールが対峙する時の牛は悲惨な状態なので、全く”戦い”って感じはしない。
マタドールは見え切り?みたいなポーズがあり、
うまくかわせた後に”どやっ!!”って顎を突き出すんだけど
とんでもなくダサい。
だって牛、血ダラダラ流して弱り切ってるじゃん。。。
闘牛って書くけど、牛は闘ってなかった。
殺されてた。
娯楽の無かった時代、そしてもっと家畜が道具として扱われていた時代、闘牛に熱狂する人達がいたことは理解出来る。でも今は、時代錯誤だよ。
反対運動ごもっとも。
廃止されるべきだと思う。
こんな酷いことってない。
闘牛士の美学やら、
闘牛に使われる牛はそれまで良い暮らしが出来る、とか
闘牛専用のレストランがある、とか
命を落とすマタドールもいるし、命を懸けた神聖な戦いだ、とか
ちゃんちゃらおかしい。
もう、牛は人間より下等な生き物だから
人間様を楽しませるショーに使ってる
ってはっきり言いなよ、って思う。
そう思ってなきゃこんな事、出来ないよ。
牛に対する敬意なんて全く感じられなかったし、何も美しくなかった。
3時間近く続くなぶり殺しを見ている間、
私はずっと、”牛に知恵があれば・・”と思ってた。
突進されたら人間なんていちころなのに、
牛は動くものにしか反応しない。
自分を殺そうとしてる人が目の前に居て背中向けてて、角で一突きすれば勝てるのに、牛はマントにしか向かわない。
習性に支配され、知恵が無い動物は、人間にこんな風に扱われてしまう。悔しくてしかたなかった。
シーズン中は1か月で200頭近い牛が闘牛で殺されるそう。
私のブログなんて影響力皆無だけど、
闘牛がどういうものか知らない人も多いだろうし、
ちょっとでも多くの人が知って、少しでも早く、闘牛が無くなる日が近づけば良い、と思う。










