次は,瀬戸内寂聴さんとの対談
興味を覚えたのは次の話題である。
源氏物語は,浄土思想が流行っていた藤原道長の時代の作品で,物語の背景には,来世の平穏に憧れる思想がある。物語に登場する女たちは皆,源氏に相談しないで出家してしまう。
唯一例外が葵の上だ。彼女は,源氏と一緒に暮らし,何でも光源氏と相談するように躾けられたため,勝手に出家しない。源氏に出家させてほしいと一生懸命頼む。しかし,源氏は,紫の上が出家して尼になってしますとセックスできなくなるので,聞き入れてくれない。紫の上は,可哀そうに,とうとう出家しないまま死んでしまう。
瀬戸内さんらしいあっけらかんとした話しぶりであるが,その時代に生きる男女のこころの持ちようを実感できる。