アメリカでの訓練ではプロのパイロットとして働くための基礎になるライセンスを取得してきた。それは
事業用操縦士(有償で航空運送をしていいライセンス)
多発限定(エンジンが2基以上の飛行機を飛ばしていいライセンス)
計器飛行証明(外部が見えないような悪天候でも飛行できるライセンス)
の3つのライセンスだ。
この時点でプロのパイロットとして働くのには十分なライセンスなのであるが、我々が目指すのは「大型ジェット旅客機を飛ばす」ということだ。となるとこれら3つのライセンスの上にのってくるさらなるライセンスが必要になってくる。それが「タイプレーティング」と呼ばれる機種限定のライセンスだ。
これは法律によって「構造上、その操縦のために二人を要する航空機又は国土交通大臣が指定する型式の航空機については当該航空機の型式ごとの限定」を取得する必要があると定められているためだ。
エアラインで皆さんが利用する旅客機はほぼすべてこの規定に当てはまると言っていい。
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時は阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起きた1995年。これから約1年半をかけてこのライセンスを取得し、その後エアラインの副操縦士になるための訓練を行う。
機種はアメリカの訓練時に言い渡されていたボーイングB767。
最初1年間でそのタイプレーティングを取得し、その後6か月で副操縦士としての乗務の慣熟を行う。
もちろんその節目節目ではチェックライド(審査)が行われる。
いままで4トン程度の小型プロペラ機しか飛ばしたことがない、総飛行時間が300時間程度の20代の若者がいきなり150トンの高性能ジェット機を飛ばせるようにするわけだ。
当時、それはそれはチャレンジングな訓練であったことは間違いない。
つづく
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