中国の航空会社が遅れる理由 | プライベートジェット機長が見た「超」大富豪の投資の世界

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最近は中国も豊かになって、ある分野では世界をリードするテクノロジーを持っていたり、日本より便利なところがあったり、リッチな人たちが気軽に旅行で日本に来ていたりするのを見るためか中国が「特殊な体制の国」というのを忘れてしまうのであろう。

 

最近も日本の友人に「今夜急遽マンションで断水になるんだよ」と話したら「いまだにそんなことあんの??昭和みたいだなあ...............」というリアクションをしていた(苦笑)

 

まあ、「中国あるある」、だ。

 

ところで、先日日本に在住していて東京羽田から香港に行くのに上海浦東空港を経由して行っていた方のSNS投稿を見ていたのであるが、上海で便が遅れて乗り継ぎが予定通りにいかないことにストレスをためている様子が良く分かった。

 

東京から香港へは直行便で約4時間。それを上海で経由、航空会社は上海をベースとする中国東方航空にしていた。

まあ、これ自体はよくある組み合わせだ。上海をハブとしている航空会社だから乗り継ぎもスムーズであろう、と思うのは仕方ないこと。

 

ところが、この上海への到着と出発が遅れ遅れでスケジュールが乱れていたらしい。

 

このようなことが起きると「中国の航空会社はもう使わない!」って思う人がたくさん出るのであるが、まあ、その気持ちもわからなくはない。

ただ、中国自体の中の状況を知ると少しはストレスが和らぐかもしれない。

 

まず、中国は日本のような西側諸国とは「異なる体制の国」というのを忘れないでいただきたい。

特に空に関しては体制のコントロールをしている人民解放軍の権力が絶大なのだ。

当然、人民解放軍の権限は民間の管制官の上をいくのは言うまでもない。

 

中国の航空会社が遅延するのは(機材の故障を除き)、軍が天候や自分たちの訓練などの理由で空域の制限を行うからだ。

つまり中国の航空会社や管制官がレイジーであったりスキルが低いから遅れるとかではなく、そもそも彼らが行うオペレーションにハンディを背負わされてしまっているのがその理由なのだ。

 

「でもさあ~、同じころ外国の航空会社は時間通りついていたぞ」っていう方もいるかもしれない。

 

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この点でも中国の航空会社は中国国内の会社としての足かせをはめられているのだ。

中国の航空会社は当然、その主なフライトを中国の空域内で行うことがほとんどなので機材繰りも国内を経由していたりすることが多い。

つまり、あなたが上海で出会う航空機はその前に北京や広州(やその他小さな都市など)を経由して上海に到着していたりするということだ。その途中で中国特有の理由で遅れが生じると後の便はどんどん遅れるということになる。

(外国の航空会社は基本的に、中国へ入ったり、出たり、というオペレーションしかしない)

 

あなたとは関係ない空域で制限が行われていても、その影響があなたに降りかかることはよくあることなのだ。

 

だから私のような中国の航空会社を良く使う人たちなどは、自分の乗る便がどこから接続されていて、その前の便が遅れているのかどうかなどをアプリで調べて自分のスケジュールを調整したりするのだ。




私は基本的に中国の国内都市が目的地でない限りは中国の航空会社を利用することはお勧めしない(香港、マカオはこの「中国の国内都市」としては含まれない)。

 

簡単に言えば西側諸国の空域内での移動なのに、わざわざ中国の空域に入る必要はない、ということだ。

(金銭的なメリットがあったり、時間の余裕がいくらでもある場合は別だが......)

 

香港、マカオの空域は(国としては中国であるが)今でも西側諸国の制度を踏襲している。だから日本からこれらの場所に行く場合は基本的に直行便(経由便なら台湾経由)を利用したほうが時間的なメリットがはるかに大きい。

 

中国が経済発展をしても、体制に関しては特異な部分がある。旅行者が特に最初に関わる航空関係のことに関しては(私が来た時に比べて良くなったとは言え)まだまだ西側の常識が通じる状態ではない。

 

無駄なストレスをため込まないためにも中国に関わる場合には事前の調査をお勧めしたい。


 

 

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