最近、このブログを通して様々なパイロット、パイロットの卵たちから問い合わせを受けることが多い。
このブログはプライベートジェットの機長をしている私が書いていることもあり、プライベートジェットの仕事が気になるのであろう。
ここで気を付けてもらいたいのは、プライベートジェットパイロットの世界というのは「教育はほとんどない」ということだ。
プライベートジェットのオペレーションというのは法律的にはジェネラルアビエーションとほぼ同じ扱いだ。
エアライン(定期航空会社)は不特定多数の乗客をスケジュールに沿って飛行するという特性上、法律的に一番厳しい条件の中で運航をしなくてはならない。
そのような厳しい条件があるがゆえに、いろいろなマニュアルが存在し、そのマニュアルを教える教育・訓練があるのだ。
逆に言えば、「航空機をお客様を乗せて運航する」ということをマスターするにはエアラインの施す教育・訓練を受けるのが一番だ。
一方、プライベートジェット業界はそのような細かな教育は行わない。
(もちろん、法律に定められた最低限のことはするが......)
これは豊かな経験を持つパイロットを使うことを前提としているからだ。
ここでいう豊かな経験というのは、お客様を乗せるエアラインで教育・訓練を受け、ある程度の年数、実務についていたということを言う。
プライベートジェットの場合、「機長の判断で」ということが山ほどある。
地上からの運航支援を受けることもエアラインに比べたら格段に少なくなる。
とにかく「機長」の責任の下、すべてを決めなくてはならないことが多いのだ。
これは機長権限で勝手になんでも決められるというわけではなく、しっかりとした法的な根拠、常識の範囲内で最適な判断をするということだ。
その際の判断基準として、エアラインでの教育・訓練、経験が必要になってくるのだ。
だから、私はエアラインの経験がない者(ビジネスジェットの経験がある場合はOK)、航空機の運航経験がまだ少ない者には、プライベートジェットの世界はお勧めしない。
これが、プライベートジェットのパイロットたちがシニアである理由なのだ。
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