1992年を迎えたころ、私は研究室で研究と格闘していた。
タイムリミットはもうすぐ。
ただ、修士論文にする研究成果にはなんとか目処が付いてきていた。
この春からいよいよパイロットとしての門出を向かえる。
ワクワクしていた。
と同時に不安な気持ちもあった。
大学時代+大学院時代の6年間を過ごした神戸ともお別れのときを迎える。
初めて一人暮らしを始めた場所。
そこを離れ、今度は東京へ行く。
経済的にも親から離れ、いよいよ、本当の「一人旅」が始まる。
不安でないわけがない。
ただ、私にはひとつの達成感があった。
それは「やっとやりたいことを見つけた」というものだ。
大学時代、私はとにかく中途半端な状態だった。
時代はバブル時代。
周囲は学生とはいっても、合コン、合ハイ、課外活動など、
みんなそれぞれの居場所を見つけていた。
しかし、私といえば反対に、自分の居場所を見つけられずに大学時代を過ごしていた。
なにかやりがいがあることを見つけられたわけでもなく、
かといって本来すべき勉強もせず、バイトばかりに精を出していた。
(そのころからカネを稼ぐのが好きだったようだ)
何か夢中になれることがあったわけではない6年間。
やっとそれに終止符を打つことができる。
決して小さいころからの夢でパイロットになるわけではない。
小さな新聞広告がきっかけだったけど、
そんなことで初めて「やってみたい」という気持ちがでてきたのだ。
人生、どこでどんな出会いがあるかわからない。
それは人とだけではなく、機会にどこで出会うかもある。
今、2012年の終わりを迎えようとしているとき、
「今年はうまく行ったなあ~」の人も
「今年はついてなかったなあ~」の人も
「来年はこれを始めてみるぞ!」と思っているのかもしれない。
「来年はこれを始めなくてはならないんだよね~」の人もいるのかもしれない。
何をするにも、新しいことを始めることは勇気のいることだ。
不安に思う気持ちも起きて当然だ。
そんな当たり前の気持ちを
このブログの読者であるあなたと私は共有したかったのだ。
年齢は関係ない。
どんなことを始めるにしても、期待と不安が入り交ざるものなのだ。
修士論文を仕上げる1年前に航空大学を合格した。
パイロットへの道が確定した瞬間だった。
実はそのときの気持ちを私はラジオに出演することで紛らわそうとしていた。
もしくは自分への意思表明またはエールを送っていたのかもしれない。
あなたとその気持ちをシェアすることで、この第二章を終わりにしたいと思う。
約13分と長めの録音であるが是非聞いてもらえればと思う。
(1991年3月、大阪毎日放送ラジオで流れていた「ジェフ・バーグランドのぱんげあくらぶ」に電話出演をしたときの音声。ジェフ・バーグランド氏は関西を中心に活動しているアメリカ人タレント)
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