今から10年前はゼロだったが、中国経済の発展に伴って富豪が増え、勢いプライベートジェットが売れるようになった。その保有台数は今後の拡大を続け、プライベートジェットの主戦場は中国になることが確実視されてい る。
昨年秋の米経済誌『フォーブス』アジア版によると、個人あるいは一族が10億ドル(約800億円)以上の資産を保有する中国人は前年比18人増の過去最高の146人に なった。富豪ランキングに入った中国人400人の資産総額は前年比4232億ドル(8%)増の4590億ドル(約36兆円)。
日本人の一般的な感覚では、中国人がプライベートジェットを購入するのは、中国は国土が広いからだろうと考えがちになるが、実はそうでもない。
私も実体験しているが、中国の富豪はプライベートジェットで世界中を飛んでいる。
中国人のプライベートジェット購入は
1.自分が全額負担で購入
2.リースで所有する
3.10人ほどの富豪が共同で購入する
というケースが多い。
ちなみに私の会社は1番のケースのオーナーのみだ。一番贅沢な使い方だと言える。
プライベートジェット保有のメリットは以下のようなものがあげられる。
1.機動性
(1)企業トップの最速移動によるビジネス効率化
(2)エアラインの定期航路以外の地域にアクセス可能(目的地・出発時間)
(3)VIP対応の出入国審査(混雑したターミナルでの待ち時間の回避)
(4)空港到着時より搭乗までの専属エスコート
2.ビジネスチャンス
(1)オーナー所有機による企業のステータス・信用度向上・宣伝効果
(2)ジェット機による接待・トップシークレット会談
(3)機内の最新ビジネスツール(インターネット、衛星電話、FAX、DVD、CD)
(4)ハイパフォーマンス社員へのアワード(海外招待旅行)
3.安全性
(1)テロ・セキュリティ対策
(2)ベテランパイロットによる安全飛行
(3)熟練整備士による安全定期整備
4.快適性
(1)快適な設備(豪華皮シート、木目会議用テーブル、ダブルベッド、シャワールーム)
(2)プライベートジェット専用ターミナル、専用ラウンジの利用
(3)ファーストクラスを超える食事、特別食を用意できる
(4)専属キャビンアテンダントのきめ細かなサービス
5.優良資産・節税効果
(1)耐用年数による減価償却が30年~40年と極めて長い
(2)交通費としての経費計上(固定維持費、運航費)
(3)不動産と比較すると新品、中古ともに価格は比較的安定している
(4)航空機リース事業では、リース満了時に新品同様に整備されて戻る
(5)経済成長が著しい国に転売可能
市場ニーズの拡大を予測して中国航空当局は2008年に民間航空機産業推進のための8政策を打ち出した。
その一つに自家用飛行機利用拡大のための諸施策推進がある。航空ルートの認定自由度を緩和し、フライト環境の改善策を打ち出しており、ビジネスジェットの利用環境が急速に発展する可能性がある。特に2010年に低空空域を開放し、汎用機の発展に力を入れるという戦略を打ち出しており、ビジネスジェットメーカーに巨大なチャンスをもたらす可能性が示唆されている。
今年3月に開催された2012年アジアビジネス航空会議・展示会がやはり上海虹橋国際空港で開催された。
この展示会には世界的な俳優のジャッキー・チェンの2億元(約24億円)のプライベートジェットも展示され、話題を呼んだ。
いまや中国企業は自社の成長のためにビジネスジェットの活用に力を入れており、それを中国政府が政策面から全面バックアップするという構図になっている。
これからも中国プライベートジェット市場から目が離せない.............
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