不動産屋であり中小企業診断士。そして、借金、多重債務問題、競売、任意売却。再生のプロフェッショナル(ホームページ⇒有限会社大野不動産コンサルタント事務所) のブログ部屋へようこそ!日々の思いついた事を、ブログにしています。今日はこんな話・・・
「自宅が差し押さえられた。」会社員のAさんが事務所に駆け込んできました。
新聞報道によると住宅ローンの破綻が急増している。昨年度の不動産競売が6万件に上がっているようだ。
「頭金なしで家賃並みの返済と言う甘い言葉でマイホームの夢を実現したい誘惑にのったのが、失敗だった。」とAさんは、振り返る。
会社員ばかりではない。
Bさんは、装飾品の製造販売のメーカである。リーマンショックから不況の嵐に耐え切れず、資金繰りに行き詰まり、親代々の自宅を競売にかけられた。
新聞各社は、金融機関のノルマ達成のための甘い審査で融資を実行し返済不可能であろう購入者にマイホームを与えたと批判している。
金融機関ばかりを批判するのもどうかと思うが、現実に平成21年度は6万戸の競売が行われている。
6万の家庭が自宅を失ない路頭に迷ったことは間違いない。
わたしも、競売物件の調査に行くが、玄関先に乳母車・子供用自転車が放置され夜逃げをしたことが明らかな現場に遭遇する。
小さなお子さんを持ったご家族が、「逃げる」ということを選択したことは、今後、壮絶な生活を強いられることは間違いない。
お子さんのことを考えると心が痛む。
「借金で解決できないことはないし、先が見えれば不安は解消できる。逃げないでほしい。夜逃げをしても何も解決しない。」
わたしは、東京都中小企業振興公社で毎週木曜日「不動産取引・事業再生等」で相談を行っている。そういう方は、ぜひ相談に来てほしい。↓
http://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/soudan/index.html
話を戻すが、競売だと市場価格より安く売却され、残債は残ってしまうこともある。
自宅もないのに返済をしていかなくてはならないのは辛い。
少しでもいい条件で売却する方向を考えたり、個人再生を利用して住宅を残し、残債は減額してもらう方法だってある。
100年に一度の金融危機を目のあたりにしてきたが、リーマンがつぶれると誰が予想できたか。
問題の先送りで根本的な解決法を置き去りにしている、借金先延ばしの金融円滑化法(モラトリアム法)の恩恵もそう長く続くはずもない。今後はさらに住宅ローン破綻が増える社会になるだろう。
でも、でも、決して悲観することはない。生きるための再生方法はいくらでもある。
では、では。