地元のディスカウントリカーショップ、シェリーかオレンジワインでいいのがあれば買おうと入って、輸入ビール棚に気になるエチケットが見えたのです。「これってコーヒーの香りを暗示してるんだよな。」と裏返してみると「複雑で厚みのあるリッチなスタウトです。ブラックコーヒーダークチョコレートのような香りと、上質なシルクのようになめらか口当たりをじっくりお楽しみください。」と書いてある。コーヒーもチョコレートも大好きだし、2本以上買えば単価250円にしてくれるらしいので「こりゃ買ってみるべ。」とあいなりき。

 

結論から言うと凄く好みのタイプ。黒ビールっていうのはどのような製法なのか不案内ではありますが、焙煎に由来する?薫香は確かにコーヒーのそれを想起させるもので、味覚のエッジをなぞるようなチョコレート風の酸味も感じられて、普段飲んでいる黒ビールとははっきり違うと思わせる、好ましく個性的なビールです。度数が7%とあるので、濃さも相まって飲みごたえも十分。いいのが見つかりました。

 

 

 

少し前、NHKFMミュージックラインの南波志帆DJの回でゲスト出演されていた甲本ヒロトさんの発言が印象的だったので、ここで記録してみた。

 

Q(南波):前回、NHKFMから流れるレコードの音を聞いて音楽に目覚めたというお話をお伺いしましたが、音楽に目覚めてから現在までたくさんの音楽に触れてこられていると思います。甲本さんが魅力を感じる音というものは共通するものがありますか?

 

A(甲本):えぇ~とね、言葉にして説明が難しいんですよ。ただ、えぇ~とリトマス試験紙ってわかるでしょ。あの~赤色に変わったり青色に変わったり。自分をそれに例えると、なんか、その音楽を聞いたときに、気持ちが感動する、そんでこう、自然と涙が出てきたりとか、ニコニコ笑ってたりとか、その自分の反応、がそれを証明していて、うん。でっ、それが何故そうなるのか、ということを分析するのは難しい、うん。

 

Q:じゃあ、必ずしも共通する何かがある訳ではなくて....

 

A:そうそうそう。おんなじような音楽なのに、このバンドは大好きで、このバンドはそうでもないなぁ~っていうのは自分の、その身体の反応で、うん、わかる

 

Q:その時の最初の反応っていうのは何回でも繰り返して聴いていても、必ずまたその反応になるものなんですか?

 

A:なるんです。リトマス試験紙だから。

 

Q:あぁ~。それは言葉では説明出来ないですね。

 

 

第一印象ってビビッと来るっていうのは、確かに言葉では説明出来ないので、リトマス試験紙による呈色反応に似ているというのは誰にも共感されるであろう例えだと思えました。ただし、白か黒かじゃありませんが、必ず酸性かアルカリ性かってはっきりと区分される訳ではなく、pH1から14までの範囲で微妙に変わるし、時を経て酸性から中性を経てアルカリ性に変わるっていう対象があることはあるとも思います。

 

それにしても、甲本さんやザ・クロマニヨンズがミュージックラインに出演するときはどういう訳か南波志帆さん担当の曜日なのです。私は声の好き嫌いに関してリトマス試験紙が極めて当てはまるタイプなのですが、南波志帆さんのそれには初めて聞いたときに瞬時に反応しちゃったんですよね。もしかしたら甲本さんも同じなのかな?と。

 

 

年初のNHKFMはプログレッシブロックの特番があって、これが結構楽しめたので回顧的に記しておくことにしました。山田五郎氏がプログレ好きというのは全く知らなくて、しかしながら如何にも好きそうな知識人って雰囲気はあるから不思議ではないかも。1/2の放送ではキャメルのロング・グッドバイズとかロカンダ・デッレ・ファーテひとときの静寂とか好みの楽曲が選ばれていて、前者は泣きのフレットレスベースに、後者は終わりに向かうに従ってひたすら美しくなる展開に魅せられます。

 

 

 

1/3の放送では出演者から先生の尊称で呼ばれていたアラン・ホールズワースが目立つこと目立つこと。そして最後にはキングクリムゾン太陽と戦慄パート1が英国オリジナルプレスのアナログ盤でオンエアされました。音の良さはちょっとした感動ものです。真生キングクリムゾンによる第一弾作品「太陽と戦慄」について、山田五郎氏は買って失敗したと最初は思ったそうですが、それに関しては私も同じだったので急激に親近感がわきました。馴染んで好きになってから友人のカーステレオでかけてもらった時にはかなり当惑されたのを思い出します。それと、演奏の一部に長らくヴァイオリンによるものと聞いていた所が実はロバート・フリップ卿によるギターだったことも判明。山田五郎氏が興奮意味に「カッコいい」を連発されていましたけど、久しぶりに聴いて私も氏の発言にユニゾンしちゃいましたね。

 

 

 

またもやです。逝去のニュースが。

しかし、こんなことになってTelevisionを久しぶりに聴いているのでなく、おそらくはTom Verlaineのギターから強い影響を受けているであろうWilcoのImpossible Germanyと彼らのTorn Curtainをセットで入眠ソングにしているので、今でも1曲限定ではありますが頻繁に聴いてはいました。所々壊れた螺旋階段が見える、それをあてもなく昇り降りしているようなギターが無意識の奈落へと誘ってくれているのか、何故かよく眠れるのです。

 

高校時代にThe Doors沼にはまった影響から、同じエレクトラレーベルを選んだというTelevisionを知った訳ですが、Marquee MoonやAdventure, それにThe Blow Upまでは買ってみて詩的な面はともかく、音楽的にはThe Doorsっぽさは全くないけれど、この3作品は気に入ってよく聴いていました。Tom Verlaineの特徴的に痙攣するようなギター演奏にはThe Rolling Stonesの19th Nervous Breakdownが言及されるとか知ってなるほどなと思ったり、Televisionとは略すとTVだから要するにTom Verlaine Bandなんだと合点がいったりとそれなりにハマっていながら、終ぞ解散後の活動は追うこともないままお別れの日が来てしまいました。

 

果たしてマーキームーン。魂は別として肉体は本当に月に行けたのでしょうかね。

 

 

 

今日は嫌な野暮用での外出ですっかり疲れておりました。

しかし、孤独のグルメじゃありませんが終わってみたら「腹が...減っている。」となっていて、それも道理の昼時過ぎ、とりあえず駅ビルのそじ坊カレー南蛮蕎麦でもと立ち寄ります。

 

募る食欲の脳裏に浮かんでくるのは不思議とカレーの匂いが多い気がします。少し前にたぶんNHKで観た時に「カレーの匂いに魅かれてカレーを食べたくなるんじゃなくて、カレーを食べたいから臭覚がカレーの匂いを捉えるのだ。」という情報が片隅にあったせいもあるみたいです。

 

 

いざ注文の段階になるとストレスもあってか、予定より多めに食べたくなっていました。すると蕎麦を色々選べるかつ丼定食としてうまい具合にカレー南蛮蕎麦があったのでそれをチョイス。写真をアップしてみると少し違うとはいっても似たような色合いに。いわゆる「美味いものは茶色」ってのに思わず笑えます。メイラード反応ってやつでしたっけね。うま味の錬金術はREDではなくBROWNに到るってとこでしょうか。

 

それはそうと、やっぱり食べたい時に目的通り食べられるとよほどでなければ美味しく食べられますね。かつ丼はオマケではありましたが、あってよかったですね。ただ、今日のかつ丼には砂糖甘さが強く感じられて、和食っていうのは砂糖が入るから食後にデザートの出番がない、つまりそうした習慣がないのはサ・シ・ス・セ・ソの砂糖の存在だというのをボンヤリ思い出しておりました。

 

 

 

 

またもやガシャポンネタ。ところは駅ビル一画のガシャ専門売り場、くちばし付の丸っこい姿が目に入ったのであります。一見してわかる通り、くちばしに伝言だの何だのを挟むことの出来る飾りと実用を兼ねたフィギュアであって、商品名も「ついばみ隊のようです。

 

机上にちょこんと、メモを咥えて伝言鳥となってもらったり、忘備録係になってもらったりを思い描きつつ硬貨を入れてみます。狙いは一つ、カワセミです。これだけ長く生きていながら写真でしか見たことのないその美しい鳥をせめてガシャポンで!の願いは虚しく散りました。舞い降りたるは黒い文鳥さん。しかし、赤い小ぶりなくちばしも可愛くてこれはこれでよしと満足。

 

 

後日、一度は姿を消していた当該ボックスが復活していたので、またもや吸い寄せられるようにコインを投入してしまうのでした。ペンが咥えられる大ぶりなくちばしを持つハシビロコウなんて便利そうだと想像していたら、降りてきたのはカワセミでした。初恋の異性に久しぶりに会えてソワソワした気分になるかと思いきや、想い出は美し過ぎた経験に似ているというか、まぁ、出会いなんてそんなもんなんですよね。

 

 

新聞の折り込み広告にミスタードーナツがあって、以前買ってみてわりと良かったピエール・マルコリーニとのコラボ商品と同じ範疇らしき商品のようでした。鎧塚俊彦氏が監修を務めたらしき、期間限定のショコラドーナツとのことで、予約でも買えることから去る土曜日に4種類を購入してみました。

 

 

偉そうにもジョブチューン風に判定するならば「合格ですかね。ベースとなるショコラドーナツは恐らく共通かと思いますが、クリームの処方が違っていて、あくまでも私の好みから美味しいと感じた順にノワドココ、トリオレショコラ、ピスターシュ、モンブランになります。モンブランはちょっと香料が鼻についたので個人的にラインナップ中ではっきりとイマイチ、ピスターシュはやはりピスタチオの原価が響くせいなのか、他と比べるとクリームの量が少なくピスタチオ感も薄めだったのが残念でありました。しかし、いずれも特別なミスドーとしての質感は十分あったので買ってよかったです。

 

 

少し前にセチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)が新型コロナウィルス対策によいとのネット記事があがっていて、読んでみれば大正製薬から発せられたものでありました。「いつも舐めているヴィックスのど飴って大正製薬じゃなかったっけ?」と、パッケージには確かに鷲のマークの大正製薬が製造販売元との印刷が見えたので「なるほど、いかにも学術的な匂いを漂わせて、自社製品の販促を兼ねているのね。」と納得するのでありました。

 

 

このCPCは以下のような構造式らしく、見るからに界面活性剤っぽいと思ったらやはり陽イオン界面活性剤とのことです。大雑把に言えば石鹸ですかい、ってとこ。CPCが自身の細長い骨格を槍のごとくウィルスの表面へ向け、それらが大挙して突き刺さることによりウィルスを破壊するという、これまた粗く考えればそういうことなんでしょうね。

 

 

さて件のヴィックスのど飴、冬ほど使用頻度は高くないものの、昨夏は暑過ぎる夜にはエアコンを使うために喉が痛んでお世話になっていたから、すっかり常備薬になってしまいました。色々試した結果、オレンジが一番美味しいのでこればかりになっています。成分からCPCの他にl-メントールがあり、舐めている間および直後に喉がすっきりして「効いている」を体感的に与えているのはコイツの存在が大きいと思われます。それと気になる成分としては合成着色料の黄色5号ですかね。調べると発がん性はおそらくないものの、幼児期の注意欠陥・多動性障害や色々なアレルギー反応を誘発する可能性があるそうです。子供のころにファンタオレンジやらファンタグレープやらで舌を染めていた世代ですから、今更気にしても手遅れですかね。

 

 

その昔、TBSラジオの「夜はともだち」とかいう、当時存在していたマガジンGORO提供のプログラムがあって、その一画をなしていた「それゆけスネークマン」を楽しみに聞いていました。いわゆるスネークマンショーですね。基本的には音楽番組なのですが、2、3曲オンエアされる合間に深夜ネタのコントが挟みこまれていて、概ね下世話で猥雑な内容ではありますが、今でもそれらエアチェック音源がかなり手元に残っています。

 

時々ゲストもあり、YMOのメンバーは割と常連だった覚えがありますね。ブロック崩しの派生型みたいなコンピューターゲーム「サーカス」とか「スペースインベーダー」などが現れた時代とYMOは重なっているせいか、これらゲームの効果音をフェイドインに引用したFire Crackerなんて曲もありました。

 

 

ところで、放送当時は知らなかった事実として、YMOのメンバーの中で高橋幸宏さんのドラムスだけは毎回耳にしていたことがありました。ある日の番組エンディングを例に挙げると

 

スネークマンショー。今日、スネークマンの紹介した曲はフォトメイカーのセイ・ザ・セイム・フォー・ユー、フォリナーのダブル・ヴィジョン、矢沢永吉の冷めた肌でした。月曜日から金曜まで土日休みで日夜正義のために戦い続ける男・スネークマン。果たしてスネークマンとは何者なのであろうか。諸君!明日のスネークマンの戦いに期待しようではないか。ありがとう、さようならスネークマン。

 

とは番組MCの一人・伊武雅刀氏による決まり文句であって、その背景に幸宏さんがメンバーだったサディスティック・ミカ・バンド黒船がかかっていたからです。その頃、曲名は知らないままでしたから、そのカッコいいとしか言いようのない楽曲のギターが高中正義さんで、ドラムスが幸宏さんとは思いもよらないのでありました。主声であるギターがとかく目立つのは当然としても、よく聞くとドラムスによるリズムキープがシンプルながら非常に凝っていて、凡人だったらタイトどころか簡単に崩壊しそうなのにと驚いたものです。ドラムスだから当たり前かもしれませんが、YMOでもバンドを駆動させていたのは幸宏さんによるところが大きく、例えばスタジオ盤のこじゃれたCosmic Surfin'もライブでは完全に「ロック」になっていて、それこそ波乗りサーフィンってくらいの勢いになっていました。

 

それにしても、ジェフ・ベックに続いてまたもや訃報がきっかけで久々に聴くことになろうとは。多くのリスナーがいる限り楽曲は在り続けることが出来るとは言え、同じ時代を生きた人が亡くなってゆくのは悲しく残念なものです。どうか安らかに。

 

 

少し前、熊谷ラグビー場へウォーキングでもしようかと出かけた途上に「とんふみ」の看板が見えたのでそこで遅い昼飯をすることにしました。とんふみではもう20年以上前から籠原にある本店をよく利用しており、出かけた都合で花園店に寄ることもありました。ところが、本店はリニューアル後にだいぶ雰囲気が変わってしまい、花園店は閉まって久しいこともあって足が遠のいていたこともあり、とんふみブランドのお店へかなり久々でありました。

 

今回寄ったとんふみ肥塚店、以前は系列のふぁーまーずはうす・アークなる店名でありましたが、いつだったかリニューアルしてとんふみへと名前を変えていたようです。ランチには遅い時間とあって特に待つこともなく入ってみると、「おっ、これは!」となるかつての籠原本店に似た佇まいにはタイムトリップにも似た郷愁が漂うのでした。これでメニューもバッチリだったらまた時々来るだろうなぁという、私には好ましい空気感だったのです。馴染みの空間っていうのは割と無視出来なくて、人形町にある芳味亭などは昭和下町家屋な風情が移転リニューアルで完全に消失してしまい、結果として今のところ一度行ったきりになってしまいました。そして、たぶん二度と行かないであろうかと。

 

 

さて、肝心のメニューに戻るとして、注文したのはかつての籠原本店だけでなく、特に花園店で好きだったポークソテー(ロース)にしました。やって来たそれは、記憶にあるよりも全体的に小さく厚みの減ったように見えます。このご時世によく見られる、いわゆるステルス値上げなんでしょうね。さて味の方はどうか。ガーリック醤油ソースは記憶との比較では遜色なく、加齢のせいもあるのかもしれませんが、不足しているかと不安だった厚みも十分な感じ。見た目はこじんまりしたものの、確実に思い出のなかにあるとんふみのポークソテーでありました。

 

食後にこちらもかなり久々に熊谷ラグビー場へウォーキング目的で到着。見たことがない立派なホテルやバーラウンジのあるレストランなどが出来ていたのには驚きました。スタジアムと呼んでなんら差支えないラグビー場も含めて、パナソニックという大手資本が入った影響は絶大とみられます。