湯浅学氏が教えてくれた裸のラリーズ
さる4月18日にNHKFMは「世界の快適音楽セレクション」にて番組の最後に湯浅学氏が「裸のラリーズ」なるバンドの「白い目覚め」を選曲されていました。湯浅学氏からは国内外に渡って聞いたことも見たこともないミュージシャンを教えてもらうことが多く、しかも好みにドンピシャの場合も多いのです。
当日の番組から「白い目覚め」を紹介する湯浅学氏の話を以下に文字起こし。
湯浅学氏
今日はですね、ついにこの日が来たのかと言う個人的には、え~そういう感じなんですけども、「裸のラリーズ」っていうバンドが、え~ありましてですね、もうないんですけども、その「白い目覚め」。これがですね、1976年頃ということで、え~なんですが、これが珍しくあのスタジオ録音の音源なんですよ。
チチ松村氏
ほぉ~、普段はスタジオ録音してないの? 裸のラリーズは。
湯浅学氏
あんまりないんですよ。
チチ松村氏
あぁほんとに。
湯浅学氏
まぁ、あの~ライブのテープはもう沢山あるんですよ。
チチ松村氏
あぁ、そうなんですか。ふ~ん。
湯浅学氏
まぁ、スタジオ録音もそれなりな量はあるんですが、これまでにあの~正式に出たものはあんまりないんですね。それで2019年に裸のラリーズの中心メンバー水谷孝さんって方が亡くなって、その後にあの~復刻作業がず~っと継続してやってるんですが、その中のもので、え~っと新しくですね、ディスク4・76スタジオエットライブっていう、え~アルバムが出たんです。で、その中に入っている今日でそのラリーズのわりと抒情的な面がですね、こう凝縮された曲なのでそれを聴いてみたいと思うんですが、まぁ、裸のラリーズっていうと物凄い爆音で、もう鼓膜が凹むくらいの音で、こうライブをやってたってことで有名ですけども、まぁこういう、あの~愛に満ちた曲って言うのもあるので、そういうのをちょっと聴いてみようと思います。裸のラリーズで「白い目覚め」です。
半世紀ものあいだバンド名さえ知らなかったとは
予想通りドンピシャでした。Web検索すると「白い目覚め」以外にも主としてライブ音源を聴くことが出来て、「白い目覚め」という楽曲に限定されるのではなく裸のラリーズが自分にとってドンピシャであることも確信出来ました。
湯浅氏が語っていた「裸のラリーズっていうと物凄い爆音で、もう鼓膜が凹むくらいの音で、こうライブをやってた。」というのは中心メンバーであった故・水谷孝氏が弾くギターのフィードバック奏法を指すのだろうと理解出来ましたが、不快になりがちなこの種の音響がすんなり入って来るのは我ながら不思議です。
↑ 演者リストに裸のラリーズは見えない....「その他」に一絡げ扱いされている様子
水谷孝氏の歌は上手いどころか音程が明らかに外れているし、ギターも同様に正確とは言い難いけれど何故に魅かれてしまうのだろう。トム・ヴァーラインのボーカル&ギタープレイとロバート・フリップによる錯乱気味のフィードバックギターが合体したような感じと言えばほんの少しだけ近いだろうか。
物凄くきっちりとしたリズム隊とフリーキーなボーカルとギターの混ざり具合が他に類がないほど絶妙であって、こんな凄いバンドの存在に今の今まで気づかないままだったのは残念ではありますが、半世紀を経ていたとしても知ることが出来てよかった。湯浅さんには感謝しかありません。
意外にドリームポップな面も
ところで、番組で紹介のあった「白い目覚め」にはBeach Houseの、特にElegy to the Voidが繋がって聴こえたのです。おそらく誰に質問しても「絶対違う。」との答えが返ってきそうだけれど、「白い目覚め」の音にはBeach Houseの演っている俗に言うドリームポップのテイストがするのです。捉えどころのない歌や同じく雲のように浮遊する様が、どれだけ激しい演奏であったとしても夢見の幻想が内在するように聞こえるのです。
Beach Houseはワールドロックナウ内で故・渋谷陽一氏が紹介してくれて好きになった音楽ユニットでした。先に記した不快になりがちなフィードバック演奏が裸のラリーズに関してそうならずに入って来る理由は、その音像がドリームポップとの境界線に接しているからとか、半世紀も前に世に出ていた極東のバンドと2006年にデビュー作を発表した米国のBeach Houseが繋がっているかもしれないとか、想像してみるのも面白いものです。
↑ 1976年ライブ音源
↑ 後半から終わりにかけてに裸のラリーズっぽさがあるかも?


















































































