(山中湖からみた初夏6月の富士。この年(2017年)はまだ雪が残っていました。)
近年は「FIRE」という言葉をよく聞くようになりました。
「FIRE」とは経済的自立を伴う早期退職のことをいい、
俗に言う「アーリーリタイア」のことを指します。
不動産投資もその手段の1つとされますが、
それは可能なのでしょうか。どの程度資産構築するとよいのでしょうか。
今回は前回に続きの話となります。
では、今回分、以下どうぞ。
1.前 提
前回呈示した投資の前提条件をまとめると以下のとおりです。
なお、ここに掲げる以外の諸要素は複雑さを増しますので考慮しません。
判りやすくするために極端な設定にしてあります。
(1) 毎年500万円の投資資金が得られると仮定する。
(2) 一棟投資は1億円とし、20年後に資金が貯まってから投資する。
(3) 小規模投資は直ちに開始するものとし、毎年500万円の物件に投資する。
(4) 果実は毎年投資額の10%を得られると仮定する。
では、先に小規模投資を実行した場合から確認します。
1.小規模投資を繰り返した場合
小規模投資を繰り返す場合には、
対象者は毎年得られる原資500万円をその都度全額投資に廻します。
貸家を1軒ずつ毎年購入するイメージです。
投資の総額は、1年毎に500万円ずつ増え、20年後に1億円に到達。
それに応じた果実も毎年増えて行きます。
この場合、果実はどの程度積み上がるのでしょうか。
これを繰り返したら20年後にどのようになるでしょうか。
1.果実の総計
前述のような小規模投資を繰り返した場合。
果実は投資した単位毎に1つずつ増えます。
従って、投資初年は1単位、2年目は2つあるので2単位、3年目は3単位…
このように増加し続けます。
これが1億円に到達するまでに20回の投資を繰り返しますから、
総単位数は「1+2+3+ … +19+20」と計算します。
そうすると総単位数は210個。表面利回りは10%仮定ですから、
総収益は、500万円×10%×210個=1億500万円。
この場合の20年後の総計は…
投資総額1億円相当の不動産と、果実1億500万円相当の現預金、
総額2億円少々の数字を見込むことが可能です。
1.一棟投資をした場合
一方、原資が1億円貯まるまで待ち、
1億円の物件に対し投資を1回だけしたと仮定した場合。
この場合の果実は、20年後に投資して初めて得られます。
逆を返せば、19年目までは果実ゼロです。
また、20年目に投資した果実の1単位は、
小規模投資の1単位(500万円)に対し20倍の威力を持っています。
つまり、1単位1,000万円の果実を得られるのです。
この場合の20年後の総計は…
投資総額1億円相当の不動産と、果実1,000万円相当の現預金、
総額1億1,000万円の数字を見込むことが可能です。
ザックリ小規模投資をした場合の約半分しかありません。
1.結 論
両者比較をした場合には、
小規模投資の方が有利だということが判りました。
資金が得られた都度投資をすれば、
その分の果実を前倒しで得られるのと同様の効果があるからです。
ただ、これだけに止まりません。
今回の話では、まだ果実として得られたカネを遊ばせてあるのです。
…次回は、小規模投資に果実を貯めて再投資をするとどうなるか。
これを考えてみます。
続きはまた次回。
今回もお付き合い、ありがとうございました。