先日、「かんぽの宿」の不動産鑑定評価に関し、不動産鑑定士に行政処分がなされたというニュースがありました。
国土交通省によると、処分の理由は以下のとおりとのことです。
・重要な評価条件を鑑定評価書に記載しなかった。
・ドラフトとして鑑定評価額等を依頼者に示した後に依頼者側とのやりとりを経て鑑定評価の内容を大幅に変更した理由について、合理的な説明ができない。
・鑑定評価書の中に、対象不動産の実査を不動産鑑定士の資格を有する者が行っていないものがある。
・対象不動産のほとんどについて自ら実査しなかった。
・鑑定評価書に多数の誤り、極めて説明不足の箇所がみられる。
・本社の不動産鑑定士として、他の不動産鑑定士に対し、依頼者からの評価条件を正確に伝達せず、また、ドラフト提出後の依頼者側とのやりとりをもとに、行うべき範囲を逸脱した指示を行った。
→ リンク（国土交通省報道発表資料）
政治問題にもなった案件ですので、事実関係や処分の妥当性については知る由もありませんが、上記が事実だとすれば残念なことです。
いわゆる「依頼者プレッシャー」というのは、プロフェッショナルにとっては常に問題となるものです。
不動産鑑定士だけではなく、会計監査でも同様の問題がありましたし、「耐震偽装」をした一級建築士もそうかもしれません。
「依頼者の意向に反したら、仕事がなくなってしまうかもしれない」
プロフェッショナルといえども商売ですから、そのようなプレッシャーを感じることは無理からぬところがあります。
しかしながら、そのプレッシャーに負けずに踏みとどまることこそが、プロフェッショナルとしての矜持だと思います。
自身も不動産のプロフェッショナルを自称している以上、肝に銘じたいと思っております。
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