こんにちは。不動産法務コンサルタントの中沢です。
金融商品取引業者は、「金融商品取引契約」を締結しようとするときは、あらかじめ顧客に対して、一定事項を記載した書面(契約締結前交付書面)を交付しなければなりません(金融商品取引法第37条の3)。
また、「金融商品取引契約」が成立したときは、遅滞なく一定事項を記載した書面(契約締結時交付書面)を顧客に交付しなければなりません(金融商品取引法第37条の4)
ここで問題になるのが、「金融商品取引契約」とは何かということです。
信託受益権の売買の媒介を行う場合、信託受益権売買契約だけではなく、顧客と金融商品取引業者との間の「媒介契約」も金融商品取引契約に該当します。
したがって、媒介契約を締結する前及び締結時にそれぞれ書面交付が必要となります。
もちろん、必ずしも別々の書面にする必要はなく、媒介契約と売買契約の契約締結前交付書面を1つにまとめて作成することは可能ですし、実務的にはそのように対応されているところが多いと思います。
ただし、媒介契約と売買契約の締結日が同日であれば問題はないのですが、同日でない場合には別々に作成しなければなりませんので注意が必要です。